若者に人気のカバディ、練習中の「カバディ連呼」が禁止に

NEWSポストセブン / 2020年7月21日 16時5分

カバディはイメージよりずっとハードなスポーツだ(写真/AFP=時事)

 新型コロナの感染拡大は、スポーツの現場にも大きな影響を与えている。各競技団体は感染防止のためのガイドラインを発表。感染予防と競技の両立が簡単でないこともある。全日本空手連盟が、試合や練習で技を放つ際の「気合の声出し」をしないように求めるガイドラインを策定したことが話題となった。だが、「声出し」がより競技の本質的な部分とかかわる場合もある。それが、アジア大会でも正式種目となっている「カバディ」だ。

 日本でもいま、若者を中心にカバディ人気が高まりつつある。きっかけは、7月にアニメ化も発表された漫画『灼熱カバディ』(小学館刊)だ。高校生の主人公がカバディ部の仲間たちと共に、カバディに青春を捧げる熱きスポーツ漫画である。

 カバディは紀元前のインドを発祥とし、南アジアを中心に広くプレーされる。日本でこそ愛好者は4000人程度とされるが、全世界での競技人口は1000万人を超えると言われている。詳しいルールこそ知らなくとも「カバディ、カバディ、カバディ……」と言い続けるスポーツと認識している人もいるだろう。

 このスポーツは、おおまかにいえば「チーム制の鬼ごっこ」に喩えられることが多い。2チームが順番に攻撃し、攻撃を行う者(レイダー)が守備側の陣地に侵入し、メンバーの体を触って自陣まで戻ることで得点を得るのだが、その際レイダーは息継ぎすることなく絶えず「カバディ」と言い続けなければいけないルールなのだ。これは「キャント」と呼ばれる。「息が続いている時間=攻撃の制限時間」というわけだ。

 ブーム到来が予感されるタイミングでのコロナ禍。「キャント」による飛沫感染のリスクに選手たちは悩まされているのだろうか。SNSを検索すると高校生のカバディ同好会の選手が「練習でキャントを禁止にしている」という投稿もあった。

 新型コロナによってカバディから「カバディ」が消えてしまったのか。カバディ男子日本代表として2010年アジア大会(広州)で銅メダルを獲得した経験もある、日本カバディ協会事務局長の河合陽児氏がこう答える。

「協会では、競技者に向けて『新型コロナウイルス感染症対策に伴うカバディ活動再開ガイドライン』を公開しています。そこでは『緊急事態宣言下では、キャントを伴う練習はしないように』としています。

 実は、近年のルール変更で攻撃時間が『30秒以内』と定められました。昔はキャントができる時間が攻撃時間だったんですが、いまはそれほど重視されていません。コロナ禍の中での感染リスクを鑑みれば、練習ではキャントをしなくても問題はないのです」

 えっ、じゃあもう「カバディ」って言わなくなってしまうのですか?

「それはありえません。試合でも『カバディ』と言わなくなってしまったら、それはもうカバディではありませんから」(同前)

 ちなみに「カバディ」という単語は「無心になるための『マントラ(記者註:大乗仏教での祈りの言葉)』といわれているが、言葉自体に意味はない」と日本カバディ協会のホームページに記載されている。“ルールだから言う”のではなく、その精神が重要なのかもしれない。

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