不法滞在中に「ロト2.8億円」当てたタイ人の天国と地獄

NEWSポストセブン / 2020年8月2日 7時5分

 Bに当せん金を浪費され気が気でないAが次に頼ったのは、40代のタイ出身の女性Cだった。8年ほど前に来日したCは目鼻立ちがくっきりした美女で、高齢の日本人男性と結婚後、死別した。独り身となってからは県内のスナックで働いており、「同性のタイ人から見ても美人で、日本人にすごくモテた。昼間はスロットで大金を平気で注ぎ込んでいたので、すごいお金持ちなんだなぁと思った」(Cを知るタイ人ホステス)との評判だった。

 当せん金受け取りから半年が過ぎた2019年の年の瀬、「大金を下ろすと銀行に目をつけられる」などと言ってはカネを引き出そうとしないBに、Aは「Cは妹のような存在。彼女と一緒に僕のお金を下ろしてきて」と迫った。Bも渋々同意し、Cと一緒に2020年1月に8000万円ほどの当せん金を引き出したという。

 しかし、事態はさらに複雑になっていく。今度はCが当せん金を使い始めたというのだ。

「CはBを取り込んで、Bの口座から下ろした当せん金を次々とCの口座に入金させました。Cは交際していた日本人男性Dとともに、Bが裏切らないよう監視を始めた。当せん金を“巻き上げられた”形になったBは、『後でわかったけど、Cは全然良い人ではなかった』とこぼしていました」(前出・Aを知る関係者)

 そして2020年2月、1億円以上の大金を得たCは、AやBに告げることなくタイに移住してしまったのだ。

 不法滞在という弱みを抱えていたAだが、さすがにCの移住を見逃すことはできず、弁護士に相談する。そして同2月に損害賠償を求めてB、C、Dを民事提訴。さらに4月から5月にかけB、C、Dを横領罪で刑事告訴した。

 7月30日に宇都宮地裁で開かれた裁判は、Cを相手取った民事訴訟である。

タイ人Aは逮捕され入管に……

「提訴により財産を差し押さえられたBからは、1億円近いカネを回収できたようだが、Cに渡った金は未回収のままだそうです。しかも、訴訟を起こした直後に不法滞在が明るみに出たAは3月に入国管理局に逮捕された。通常なら即強制送還ですが、いまは新型コロナの影響もあって都内の施設に収容されています」(前出・Aを知る関係者)

 栃木県内でBに話を聞くと、困惑しながら次のように回答した。

「Aさんが逮捕されたことは知っている。大変なことになってしまった。でも、私はAさんに頼まれて手を貸しただけなんです……」

 はたして強制送還を控えたAは大金を取り戻せるのか。母国で暮らすCに捜査の手は迫るのか。

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