回復して終わりではない新型コロナ 後遺症こそが大問題

NEWSポストセブン / 2020年9月3日 16時5分

退院後、体調不良のためリハビリ施設で検査を受ける元患者(イタリア、写真/共同通信社)

「入院を必要としない軽症者でも、後遺症に悩まされる」──これは世界の研究者の共通認識だという。新型コロナウイルス感染症から回復した元患者の証言と、世界各国の研究を目にすれば、本当に怖いのは回復してから待ち受ける「後遺症」だということがわかるはずだ。

「『感染』と『回復』は、新型コロナウイルスについては、ごく一部の過程にすぎません。このウイルスに感染すると、もっと長期的な影響が体に起きると考えられています」

 そう指摘するのは、カナダ人のウイルス専門医で、オタワ大学医学部教授のマーク・アンドレ・ラングロワさん。人口約3800万人のカナダは8月末の時点で新型コロナの感染者が12万人に達し、死者は9000人を超えた。多くの感染者と死者を生んだカナダで研究を続けるラングロワさんは、「回復後」こそ注意が必要だと言う。

「私たちは政府の資金提供を受けて、500人の感染者の唾液と血液を用いて10か月間の経過観察を行っています。新型コロナの長期的な後遺症の原因を探るため、世界中の専門家がそうした研究を行っているのです。しかし、すべての後遺症に対応する治療法を確立するには、まだ時間がかかると思われます」(ラングロワさん)

 新型コロナは回復して終わりではない。すでに世界各国は、「その後」の対策を進めている。

 安倍首相が突然の辞任を発表した8月28日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は、重症者や死亡者を抑制しながら経済活動を継続する方針を確認した。今後は、軽症者や無症状者は宿泊療養や自宅療養が中心となり、限られた医療資源を重症者に割り振ることになる。

 新型コロナは肺炎など呼吸器系の疾患を招き、感染者の80%が軽症もしくは無症状で、20%が重症化するとされる。重症者が肺炎などで命を落とすのを防ぐため、医療資源を重点的に投入しようというのが政府の考えだ。だがラングロワさんの指摘通り、今後の新型コロナへの対策は後遺症についても目を向けなければならない。イギリスのニュース専門局「Sky News」は7月にこう報じた。

《新型コロナウイルスは、単なる呼吸器系の病気ではなく、他のすべての臓器に影響を与える全身感染症である可能性がある》
《軽度感染者のその後の長期的な影響は、当初の予想よりもはるかに悪化する可能性がある》

 国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが指摘する。

「海外の報告からも、新型コロナは男女や年齢に関係なく、後遺症があると考えられます。海外では『ディレイド・パンデミック(遅延性の世界的流行)』との表現もあり、入院中の症状よりも回復後の後遺症の方が大きな問題になりつつあります」

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