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笹子トンネル事故「他のタイプでも大丈夫ではない」と専門家

NEWSポストセブン / 2012年12月10日 7時0分

 9人の死者を出した笹子トンネルの衝撃的な崩落事故。その発生から3日後の12月5日未明、富山県小矢部市内の国道8号倶利伽羅トンネルで、天井に設置された照明器具の一部が落下し、軽自動車を直撃する事故が発生した。

 落下したのは照明器具のステンレス製の外枠で、縦37cm、横70cm、重さは約1kg。照明器具本体にネジで取り付けられていた。

 国土交通省富山河川国道事務所の説明によると昨年12月の点検時には異常はなかったというが、直撃を受けた軽自動車のフロントガラスはクモの巣状にひび割れており、運転手が急ブレーキを踏んで玉突き事故にでもなれば、あわや大惨事にもなりかねない事故だった。

 東洋大学経済学部教授で、インフラ老朽化問題の第一人者の根本祐二氏は語る。

「笹子トンネル事故の根本的な問題はインフラの老朽化にあります。笹子ではたまたまトンネルの天井板と金属部分の弱さというところに症状が現われただけで、“他のタイプのトンネルなら大丈夫”ということにはならないのです。こうした事故が起こる危険性は、日本各地のトンネルに潜んでいるのです」

 国土交通省は今回の事故を受け、「天井板つり下げ」型のトンネルの緊急点検を実施。その数は12月6日現在、国と高速道路会社管理分49本、地方自治体などが管理するもの12本にも及ぶ。

「中には笹子トンネルより古いものも多くあります。1971年開通した夜昼トンネルでは、笹子での事故後の検査で計60か所の不具合が見つかりました」(社会部記者)

 また、つり天井以外にもトンネル内のコンクリート崩落や、富山の事故のように照明器具の一部が落下する事故もある。果たして他のタイプのトンネルならば安全であるといえるのか。

「山が険しくトンネルが長くなりやすかったり、降水量が多かったりと、日本には日本独自の地形や気候条件があります。また、多くの道路やトンネルが、1960年代、1970年代の安全基準によって施工されています。交通量の増加やそれに伴う排気ガス量の影響など、その後の状況を完全に予想できていたわけではありません」(前出・根本氏)

 都市基盤安全工学が専門の東京大学名誉教授・魚本健人氏もこう語る。

「トンネルのある山を流れる地下水に、強い酸性の温泉成分などが含まれていた場合、コンクリートが温泉成分のはたらきにより劣化する可能性も考えられます」

 地震大国で、かつ温泉大国でもあるという特殊事情を抱える日本。トンネルの種類によらず、諸外国以上に経年劣化による危険性が高いといえる。

※週刊ポスト2012年12月21・28日号



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