夜の街の「接待を伴う飲食店」から「堕ちる」女性たちの事情

NEWSポストセブン / 2020年9月20日 16時5分

キャバクラやガールズバーで生計を立てていた女性たちにとって苦難の日々は続く

 第2次世界大戦後の大ベストセラー小説で、何度も映像化された『肉体の門』は、敗戦と貧困のため身を売りながら、たくましく生きた女性たちの物語だ。それから約70年後のいま、新型コロナウイルスの感染拡大によって、同じように困窮から身の振り方を変えた女性が続出している。キャバクラやガールズバーで働いていた女性たちは、それを「堕ちる」と呼んでいるらしい。ライターの宮添優氏が、様々な事情で「堕ちて」きた女性たちについてレポートする。

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「コロナになって、金が出せないから求人広告は全部引き上げた。でも、面接は増えたんだよね。要は『そういうこと』なんだよ」

 東京・豊島区内の風俗店経営・横尾真一さん(仮名・50代)は、新型コロナウイルス感染拡大による東京都の緊急事態宣言発令を知り、店が潰れないよう出来るだけ手元にお金を残すため、広告業者全てとの契約を打ち切った。広告は、男性客向けのもの、女性向けの求人広告と二種類があったが、どちらも引き上げたという。緊急事態宣言中は客がゼロ、と言う日も珍しくなく、女性従業員の半数以上が店を辞めた。

「あの時、女の子がたくさん辞めたけど、客も来ないからあんまり影響はなかったね」(横尾さん)

 異変が起きたのは緊急事態宣言が明け少し経った六月ごろ。男性客は、長年の勘から「いずれ戻る」と思っていたが、それよりも先に店の門戸を叩いたのは多くの女性だった。

「学生だけど学校もないしバイトもできない、といってお金に困ったって女子大生でしょ、あとは、契約社員だったけど仕事切られて食べるため、家賃の為に仕方なく、って子もいたね。でも一番多かったのは、キャバクラとかセクシーパブとか、風俗ではないけどその手前の業界で仕事をしていた子たち。女の子の間では『堕ちる』なんて言われてるらしいけどね」(横尾さん)

 キャバクラなど、いわゆる「接待を伴う飲食店」は、実際にクラスターが発生したことなどから、新型コロナウイルス感染の温床、悪の象徴のように言われてきた。繁華街のこうした店からは一気に客が消え、休業や廃業に追い込まれた店も少なくない。だからこそ女性たちは、客がゼロの店で働くよりもマシだと、少しは客が見込める横尾さんの店にやってきたのだろうと推測する。

「うちのような店は、おそらく雨が降ろうが風が吹こうが、来る客は来る(笑)。生理現象だからね。反対に、接待を伴う飲食店に行きたくてしょうがない、悶々して耐えられない、ってことある? その違いがあるよね」(横尾さん)

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