スガノミクスの真実 サラリーマンには賃下げメニュー満載

NEWSポストセブン / 2020年9月19日 7時5分

菅首相は消費増税は当面しないと表明した一方で…(時事通信フォト)

 秋田の農家出身で、町工場の従業員から総理に上り詰めた苦労人──菅義偉・新首相の「立身出世物語」は庶民に寄り添うリーダー像を期待させた。だが、そのイメージが虚飾に過ぎないと明らかになるまで、そう時間はかからないはずだ。

 すでに菅新政権は「経済再生」の名のもとに、国民に厳しい鞭を振るうシナリオを作り上げている。サラリーマンには「定昇廃止」「残業代ゼロ」「クビ切り促進」政策が進められることになりそうだ。

 安倍晋三前首相の体調が悪化した今年7月、官房長官だった菅氏が中心になってまとめた経済財政の基本方針「骨太の方針2020」には〈フェーズIIの働き方改革に向けて取組を加速させる〉と盛り込まれた。この「新・働き方改革」は、菅政権の基本方針でもある。

 しかし、同じ「働き方改革」でも、安倍政権が賃上げを掲げたのに対し、菅政権の「フェーズII」は逆に“賃下げ”のメニューが満載だ。

 実は、これは経団連が今年初めに「働き方改革をフェーズIIに深化させる」(中西会長)と提言した報告書(経営労働特別委員会報告2020)に沿った政策だ。内容は、
【1】毎年、社員一律に給料が上がる「定期昇給」(定昇)の廃止→実質賃下げ
【2】定額の職務給となる「ジョブ型雇用」の導入→給料は上がらずクビ切りがしやすい制度
【3】「裁量労働制」の導入→残業代ゼロ制度
 などが柱となっている。

 すでに中西会長の出身企業の日立製作所では「定昇」を廃止し、“成果があれば昇給、なければ昇給なし”の成果型賃金を導入しているが、トヨタ自動車も来年度から一律昇給を廃止して成果型賃金を導入する方針で現在労使協議が行なわれている。

 コロナの感染拡大で世界的に需要が落ち込み、大企業は経営悪化で人件費をできるだけ削減したい。菅政権は「働き方改革フェーズII」で経団連の賃下げを後押しする。

※週刊ポスト2020年10月2日号

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