テスラ3の実力は本物か 東京─長崎往復で分かったメリデメ

NEWSポストセブン / 2020年9月22日 7時5分

テスラ「モデル3」ロングレンジAWD

 7月1日、株の時価総額が2105億ドル(22兆1000億円/1ドル=105円換算)となり、トヨタ自動車を超えて自動車業界世界首位に躍り出たアメリカのEV(電気自動車)ベンチャー、テスラモーターズ。日本市場ではまだマイナーな存在だが、果たしてその実力は本物なのか──。それを確かめるべく自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が、「テスラ3」に試乗して“東京─長崎間、総走行距離2876km”の超ロングドライブを敢行した。

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 テスラフィーバーは9月になっても止まらず、株価は7月の2倍以上に跳ね上がった。期待されていたアメリカの株価指数S&P500の構成銘柄入りに漏れたことで一時、機関投資家の投げ売りに起因するものとみられる暴落があったものの、その後再び株価は上昇に転じ、現在では時価総額30兆円台後半を推移している。1株当たりの株価は前年に比べ軽く10倍以上だ。

 何がそんなにテスラ株を持ち上げているのか、真相は不明だ。テスラの2019年の年間生産台数は36万台。これはトヨタの20分の1以下、ホンダや日産10分の1以下という水準だ。収益性はようやく4四半期(12か月)連続で黒字を計上することができたばかりで、いわばよちよち歩きの状態である。売り上げも利益率もモンスター級の巨大企業群、GAFAMとはまるで状況が異なる。

 だが、株価は高い。もっぱらS&P500入りでの一段高を当て込んだ機関投資家の買い集めという説は株価の再反転で違うことが証明された。といって、熱狂的なイーロン・マスク(テスラCEO)支持者たちによる買いだけでこんなに株価が上がるものではない。

 株価は将来指標とも人気投票とも言われるが、果たしてテスラにそんな成長の見込みがあるのか。とりあえず商品を使ってみなければ話が始まらない。ということで、同社の主力EV「モデル3」で遠乗りをしてみることにした。

将来性を予感させる”偉大な青二才”

 モデル3は2017年にアメリカで、2019年に日本でデリバリーが開始されたミッドサイズセダン。全長4.69m×全幅1.85mと、テスラのラインナップの中では目下、最もコンパクト。トヨタのミッドサイズセダン「カムリ」と比較すると幅はほぼ同じ、長さは20cmほど短いというディメンジョンで、日本の道路への適合性が比較的高いモデルと言える。

 日本でのグレード展開は上から「パフォーマンス」「ロングレンジAWD」「スタンダードプラス」の3種類で、今回乗ったのは中間グレードのロングレンジAWDで価格は660万円。総容量75kWhのバッテリーを積むタイプで、100%充電時の航続距離は560km。ドライブルートは東京~九州の周遊で、日本本土最西端、長崎の神崎鼻を目指して走ってみた。

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