事故物件売買の割引率 殺人、自殺、孤独死でどれだけ違う?

NEWSポストセブン / 2020年10月4日 7時5分

事故物件専門の不動産サイトによると、割引率は死因で変動

 映画『事故物件 恐い間取り』が大ヒットするなど、注目を集めている「事故物件」。いわくつきの物件を避けたいという声がある一方で、事故物件には様々なメリットがあるのも事実だ。事故物件を専門に取り扱う成仏不動産の担当者はこう話す。

「普通の物件であれば高齢であることを理由に入居を断わられるケースがある。しかし、なかなか入居者が見つからない事故物件のオーナーは、高齢者の受け入れに寛容で、年齢を理由に入居を拒否されることが少ないので、高齢者にとっては貴重な選択肢となっています」

 入居のしやすさもさることながら、「安さ」も魅力だ。事故物件と通常の物件ではどれくらい売買価格が違うのか。訳あり物件を専門に取り扱うアウトレット不動産の昆佑賢氏が言う。

「不動産売買では、殺人事件が起きた物件は相場の50%以下、自殺は20~30%引き、孤独死や病死の場合は5~10%引きというのが目安です。自殺でも、例えば部屋中に血液が飛び散ったケースなど、さらに安くなる場合もあります」

 都内の事故物件に住んでいる30代の男性会社員が語る。

「築40年3階建てマンションの6畳一間を4万円強で借りています。同じマンションの別の部屋より2万~3万円は安い。物件のチラシに『特記事項あり』と書いてあったので気付きました。不動産屋さんに聞くと、前の入居者が部屋で病死したらしい。それならまあいいかと契約を決めました。内見したところ臭いもシミもなく、この立地でこの家賃ならお得だと気に入っています」

 事故物件のもう一つのメリットが、リフォームの徹底だ。

「自殺現場が浴室でも、居室全てをフルリフォームするのが基本です。壁紙や水回り、可能な場合は間取りも変えて、新品同様の安心できる居住空間を提供しています」(前出・昆氏)

 ただし、事故物件のリフォームは“見えない部分”が重要だという。前出・成仏不動産の担当者が言う。

「当社では施工を徹底していますが、特殊清掃という技術がしっかりしていないと入居後に不快な思いをすることが稀にあります。床材の下まで染み込んだ腐臭の根源は、特殊な薬品で完全に除去しないと『におい戻り』が発生するケースがあります。そのため入居希望者は事故物件で起きた出来事の詳細を把握して内見の際に注意深く物件を吟味したほうがいいでしょう」

「気にしなければお得」に思える事故物件だが、実際に住んでみると思わぬデメリットもある。「事故物件住みます芸人」として知られ映画の原作本著者でもある松原タニシ氏が自らの体験を明かす。

「事故物件に住んでいると、近所の住人に避けられていると感じることがよくあるんです。とくに団地などでは、古くから住んでいる人たちが事故物件であることを皆知っているので、どうしてもそうした視線を感じてしまう。“ヒソヒソ陰口を叩かれると気分が悪い”という繊細な人には向いていないですね」

 メリットに目を向けるか、デメリットにこだわるかでまるで評価が変わってくる事故物件。住んでみたいと思いますか?

※週刊ポスト2020年10月9日号

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