英紙電子版 中国・習近平主席の失脚説報じるも記事削除

NEWSポストセブン / 2020年9月29日 7時5分

習近平国家主席の辞任報道で様々な思惑が交錯する(AFP=時事)

 中国の習近平国家主席が辞任する可能性が一部報道で取りざたされている。中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大を中国指導部が隠蔽した疑惑について、世界保健機関(WHO)の独立検証委員会が近く、中国の責任などについて結論を出す予定。その結果次第では、中国共産党内で習氏と敵対する長老指導者らのグループが習氏を辞任に追い込むシナリオも否定できないというのだ。

 これは、9月12日付の英国のタブロイド紙「デイリー・エクスプレス」電子版が英国の国防問題専門家のニコラス・ドラモンド氏の発言として報じたもの。英国軍元将校である同氏は、英国政府の国防顧問でもあり、中国通としても知られている。

 今年5月のWHOの年次総会で加盟194カ国の代表が、新型コロナウイルスの発生源や初動対応に関する独立した検証委員会を設置することに合意、今年11月には中間報告が公開される。同氏は、ここに注目したという。WHOは中国寄りで知られるが、この委員会のトップはニュージーランドのヘレン・クラーク元首相とエレン・ジョンソン・サーリーフ元リベリア大統領。とくにニュージーランドは中国と外交的に対立関係にあり、報告書の客観性が期待されている。

 ドラモンド氏は、中国では新型コロナウイルスが昨年9月から10月には発生していたが、習近平指導部はそれを知っていながら、今年1月22日まで中国での感染拡大を公表せず、それが世界中での感染拡大の原因となった可能性を指摘。この事実が報告書で明らかにされれば、中国が世界中の大半の国々から責任を追及されるだろうとしている。

 そうなった場合、中国共産党内で習氏の責任追及が始まる可能性が高い。そうでなくとも、中国は欧米諸国などと冷戦状態に陥り、国際社会から孤立することは必至だと分析している。

 党指導部が習氏の責任を追及しないとの選択肢をとるならば、中国すでに深刻な対立状態に陥っている米国を筆頭に、大半の国々と厳しく対立する道を選ばなければならない。習氏が最高指導者に就任する以前の中国の最高指導部は対外開放と経済改革の2大原則を前面に出して、米国など西側諸国との融和的な外交政策をとってきた。もしもこれ以上、米国などとの敵対関係が激しくなれば、習氏を失脚させること以外に選択肢はなくなるのではないかとドラモンド氏は結論付けている。

 ところが、ドラモンド氏のコメントを中心とした記事は、予告もなく「デイリー・エクスプレス」紙のホームページから消えたのだ。

 これについて、同紙の投稿欄には、「中国共産党から強い抗議を受けた結果だろう。中国は自身の都合が悪いことには手段を選ばず報復する。また、中国共産党がもつ問題点は民主的な説明責任が欠如していることだ。国際社会から新型コロナウイルスの感染拡大の責任を追及されても、中国は答えないだろう。つまり、習近平の辞任はないということだ」などの意見が多く寄せられている。

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