8割の人が遭遇する「中年の危機」 こじらせないためには?
NEWSポストセブン / 2020年10月29日 16時5分
発達心理学者のエリク・H・エリクソンは、ライフサイクル・モデルという考え方を示した。
彼は、人生を乳児期から老年期まで8段階に分けた。そして、人間は、この段階ごとの発達課題をクリアしながら発達していくと考えた。
この積み重ねは、飛び級ができない。だから、青年期にしておくべき「アイデンティティの確立」ができていないと、中年になっても青春時代を引きずることになる。
エリクソンは、ミッドライフクライシスが起こりやすい成人後期の特徴として、ポジティブな「世代性」とネガティブな「停滞」の拮抗を挙げている。人生の下り坂は、成長がゆっくりになって停滞するけれど、それは同時に、若い世代を育てる、バトンをつなぐというプラスの面ももっているということだ。
ぼく自身のことを振り返ってみると、確かにそう思う。障害のある人たち約200人と一緒に、ハワイや台湾など外国を旅行したり、イラクやチェルノブイリの子どもの医療支援に取り組んだりしてきたのは、誰かを助けたいと思ってやっていた。
だが、実は、自分の経験を違う世代の人たちに伝えることで、ぼく自身が救われていたのかもしれない。誰もが限りある命を生きているなかで、次世代に伝える、次世代の役に立つということが大きな喜びになることに、エリクソンを読んで初めて気が付いた。
ミッドライフクライシスをこじらせないために
では、ミッドライフクライシスをこじらせないためには、どうしたらいいのだろうか。
次の5つを提案したい。
【1】新しい人間関係を作る
仕事以外の人間関係があまりないという人も多い。地域の活動や祭りなどに参加して、新しい人間関係を作るようにすると、新しい自分の役割を発見できる。
【2】違う世代との交流を意識する
親の世代、子や孫の世代とつながり、自分にできることをする。誰かのために尽くすことで、独りよがりな頑固ジイさんにならずにすむように思う。
【3】趣味を楽しむ
無心に没頭できる趣味をもつことは、脳を若々しく保ってくれる。ぼく自身は、病院の若い医師たちとバンドを組んで、ドラムを始めた。とんでもなくリズム感がなく、仲間には迷惑をかけたが、新しいことに挑戦しているというわくわく感は得難い体験だった。
【4】自分の変化を確認する
48歳の頃、パニック発作を起こし、ミッドライフクライシスに陥った。その時、若い頃好きだった小説や映画などをよく見直した。若い頃とは違った見方に気付くことで、自分の変化を確認することができた。自分が積み残した問題の解決にも役立った。
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