フジ復活の狼煙 木曜夜にみる「TVは楽しくなければ」の姿勢
NEWSポストセブン / 2020年11月15日 7時5分
かつては民放で視聴率トップの座を走っていたフジテレビの低迷が続いている。そんななか、復活を目指す動きが「木曜夜」から始まっている。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
* * *
フジテレビは今秋の番組改編で、木曜21時から『千鳥のクセがスゴイいネタGP』をレギュラー化。発表時は、「今年5月30日と8月15日に放送されたばかりの特番を早くもレギュラー化したこと」が驚きを持って報じられました。
また、同番組に続く木曜22時からのドラマには『ルパンの娘』をラインナップ。こちらは昨夏に放送されたドラマの続編であり、同枠では2014年春の『続・最後から二番目の恋』以来となるひさびさのシリーズ作です。
「特番を早くもレギュラー化」「6年半ぶりのシリーズ作」であること以上に異例なのは、両作の視聴率が振るわなかったこと。『千鳥のクセがスゴいネタGP』は5月30日が個人視聴率4.2%、世帯視聴率6.4%、8月15日が個人視聴率5.3%、世帯視聴率8.2%。『ルパンの娘』が個人視聴率4%程度、世帯視聴率7%程度に終わりました。
テレビ局によって違いはありますが、業界的に「現在の合格ライン」と言われる個人視聴率6%、世帯視聴率10%を大きく下回っているにもかかわらず、フジテレビがレギュラー化や続編放送を決めたのはなぜでしょうか。
その理由にこそ、フジテレビの大きな変化と、復活の兆しを感じるのです。
低視聴率でもレギュラー化した理由
視聴率という結果が得られなかったにも関わらず、なぜ両番組は今秋に放送されているのか。最大の理由は、フジテレビが“キー特性”と呼んでいる13~49歳の視聴者層を重視しはじめたから。『千鳥のクセがスゴいネタGP』と『ルパンの娘』は、前述したように各世代を合計した視聴率では奮わないものの、キー特性の視聴率で評価されたことが今秋のレギュラー化や続編につながったのです。
この背景となったのは、今春に行われた視聴率調査のリニューアル。年齢性別ごとの細かい視聴データが取れるようになり、スポンサーが本当に求める視聴者層へのアプローチが可能になったことが両番組を後押しする形になりました。
そこにさらなる影響を及ぼしたのが、コロナ禍による業績の悪化。これまで以上に「スポンサーが本当に求める視聴者層を確保しなければいけない」という切迫した状況になり、その対策がキー特性向けの番組なのです。とはいえ、これまでのフジテレビなら視聴率の取れない番組のレギュラー化や続編は考えられなかっただけに、大きな変化であることは間違いありません。
-
-
- 1
- 2
-
この記事に関連するニュース
-
ゴチ新メンバー松下洸平、『クセスゴ』で千鳥ノブと連続共演
マイナビニュース / 2021年1月21日 21時52分
-
千鳥・ノブ、テレビ業界内で評価の高い“口グセツッコミ”の力
オトナンサー / 2021年1月17日 9時40分
-
関ジャニ∞大倉忠義「知ってるワイフ」初回6%台の低空発進…原因はリアルな息苦しさ?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年1月11日 9時26分
-
テレビ関係者が暴露! フジテレビ、TBS……今年“打ち切り寸前”のバラエティ番組
サイゾーウーマン / 2021年1月3日 8時0分
-
『半沢』大ヒットの理由、『ルパン』続編の背景とは? 2020年ドラマ業界10大ニュース
マイナビニュース / 2020年12月31日 10時0分
ランキング
-
1過労か?爆笑問題・田中が深夜に救急搬送…コロナに続いて脳梗塞、くも膜下出血でダウンの波紋
日刊ゲンダイDIGITAL / 2021年1月21日 14時52分
-
2NiziUの“YouTube更新頻度”にクレーム、JYPの放置を懸念
wezzy / 2021年1月21日 14時31分
-
3フジ井上清華、「めざましMC」抜擢で「あの人気アナ」が退社待ったナシ!?
アサ芸プラス / 2021年1月21日 17時59分
-
4高嶋ちさ子 “メンタル強くない”指摘に「ずっと20年間心療内科通ってます」
スポニチアネックス / 2021年1月21日 11時41分
-
5松田聖子は2回、宮崎あおいは元夫から不倫暴露、芸能人夫婦の壮絶ドロドロ離婚劇
週刊女性PRIME / 2021年1月21日 21時0分