ノロウイルスやインフルエンザに“体の中から”も感染症予防

NEWSポストセブン / 2012年12月20日 16時0分

 ノロウイルスによると考えられる感染性胃腸炎は、今年11月中旬以降、地域差はあるものの、全国的に大流行している。今冬の流行は、ノロウイルスの変異株によるものと示唆されていることが特徴だ。

 山形県では医療機関1か所当たりの平均患者数が23.60人に上り、国立感染症研究所が定める基準値(20人)を超えたことから、12月11日、感染性胃腸炎警報を発令。京都府では3小学校が学級閉鎖(12月10日現在)。愛媛県では、松前町の特別養護老人ホームで30人が食中毒を発症し、有症者からノロウイルスが検出された(12月11日)。国立感染症研究所によると、ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、12月から3月にかけて、全国的に流行するという。つまり、危険なシーズンはまだ始まったばかりだ。

 そんな中、昨年5月に発表された「乳酸菌には、ノロウイルスによる発熱を軽減する効果がある」という研究成果があらためて注目を集めている。乳酸菌には感染症の予防効果があるとされているが、ノロウイルスによる胃腸炎に対して、乳酸菌の効果が確認できたのは世界初という。

 ノロウイルスによる急性胃腸炎は、乳幼児から成人、高齢者まで幅広く発症するのが特徴で、主な症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱。とくに乳幼児と高齢者では嘔吐と下痢が激しく、体内から水分が失われやすい。そこに発熱を伴うと、水分がさらに蒸発して、脱水症状による危険が高まる。

 順天堂大学大学院医学研究科プロバイオティクス研究講座を中心とする研究グループは、「高齢者が乳酸菌飲料を日常的に飲んでいると、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の発熱症状が軽減される」という研究結果を発表した。

 研究では、高齢者医療施設の入所者71人(平均85才)を2グループに分け、一方がヤクルトで知られる乳酸菌「L.カゼイ・シロタ株」入りの飲料を継続的に摂取した。研究を始めて2か月後、施設内でノロウイルスによる胃腸炎が発生したが、37度以上に発熱した期間は、非摂取グループでは平均2.9日だったのに対して、摂取グループでは平均1.5日と、約半分。また、38度以上に発熱した人も少なかった。体力の弱い高齢者にとって、発熱期間とその程度が減ったことは、非常に有意義といえる。

 研究グループの責任者の山城雄一郎特任教授は、この結果をこう分析する。
「摂取グループの人の便を調べたところ、善玉菌が増えて悪玉菌が減っていました。L.カゼイ・シロタ株の作用によって、腸内環境を改善できたことが、発熱症状の軽減の要因と考えられます。変異型のノロウイルスに対しても同様の効果があるといえるでしょう」

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