定年の高砂親方 後継者に“朝青龍の後輩”を指名した事情
NEWSポストセブン / 2020年12月1日 7時5分
「大ちゃん」の愛称で親しまれた高砂親方(元大関・朝潮)が、12月9日の65歳の誕生日で、相撲協会の定年を迎える。
両横綱が全休した11月場所では、愛弟子である大関・朝乃山の優勝が期待されたが、ケガで3日目から休場。寂しい定年場所となった。
「定年後も再雇用で協会には残れるが、制約があって部屋は持てない。正規雇用の親方と年寄株を交換し、部屋を継がせることになる」(担当記者)
高砂部屋の部屋付き親方である若松親方(元前頭・朝乃若)と錦島親方(元関脇・朝赤龍)のどちらが継ぐか注目を集めていた。
「高砂親方はギリギリまで明言せず、近大の後輩である若松親方が継ぐとみられていたが、指名されたのはモンゴル出身の錦島親方だった」(同前)
高砂親方といえば、暴行事件で廃業に追い込まれたモンゴル人横綱・朝青龍に悩まされた。錦島親方は明徳義塾出身で朝青龍の後輩だ。
「入門時には、“青がいるから赤も”ということで朝赤龍の四股名になった。高砂親方が角界屈指の名門部屋の看板を“朝青龍の後輩”に譲ったことに驚く関係者もいる。ただ、朝青龍を反面教師とする錦島親方は常識的で大人しい性格。将来的に部屋は朝乃山が継ぐのが既定路線で、それまでのワンポイントを了承したようだ。一方の若松親方は、近大出身の後輩にあたる朝乃山に年寄株を渡す“つなぎ役”では、メンツが立たなかったのではないか」(若手親方)
将来を見据えた判断とはいえ、苦労もある。
海外出身の部屋持ち親方は武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)、友綱親方(元関脇・旭天鵬)らの例があるが、「高砂」の名跡を継げば一門をまとめる“総帥”となる初のケースだ。
「今はコロナで中止されているが、一門の連合稽古などを取り仕切る立場となる錦島親方やおかみさんの職責は重い。錦島親方の場合、部屋を切り盛りすることになる奥さんもモンゴル出身で戸惑うことも多いかもしれない。同じ一門の八角理事長(元横綱・北勝海)とともに、高砂親方が定年後も折に触れてサポートしなくてはならない」(同前)
定年消滅は世の流れだが、協会の再雇用も楽隠居とはいかないようだ。
※週刊ポスト2020年12月11日号
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