紅白『蛍の光』4代目指揮者・都倉俊一氏が明かす当日の流れ

NEWSポストセブン / 2020年12月30日 7時5分

作曲家としても活躍する都倉俊一氏が紅白の思い出を振り返る

 山口百恵、ピンク・レディー、高橋真梨子、山本リンダ、郷ひろみ、狩人など、多くの歌手にヒット曲を提供してきた都倉俊一氏。2017年には、NHK紅白歌合戦における『蛍の光』の4代目指揮者に就任した。そんな都倉氏が紅白にまつわる話を語った。。

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 僕が作曲家としてデビューした頃、紅白はレコード大賞とともに大晦日の2大イベント。歌い手はレコ大の会場だった帝国劇場から紅白会場のNHKホールまで、パトカー先導で移動するのが売れっ子の証しという時代でした。

 記憶に残る紅白といえば、狩人が『あずさ2号』で初出場した77年、ステージ上で指揮をしたことでしょうか。テレビには一瞬しか映りませんでしたが(笑い)、レコ大で新人賞を受賞した彼らと一緒に帝劇から移動したことも懐かしい想い出です。当時はその40年後に『蛍の光』の指揮で再び紅白の舞台に立つとは思いもしませんでしたけどね。

 平尾昌晃さんの後任として、NHKから依頼があったのは2017年の秋。「(2代目指揮者の)宮川泰先生の時は指揮棒に花束を付けて振っていたので、都倉先生もいかがですか?」と言われましたが、それは丁重にお断わりして(笑い)、フルオーケストラ用の譜面を書かせてもらえるなら、ということでお引き受けしました。

 それ以来、大晦日は夕食後に入浴してから家を出て、23時に会場入り。その30分後にはスタンバイしますが、なにせ生放送でしょう? 番組が終わる23時45分にきっちり収めないといけないので、後奏の秒数やテンポを調整しながら指揮棒を振っています。終了後は打ち上げに顔を出してから帰宅しますが、今年はコロナ禍で無観客開催。現場の雰囲気は大きく変わるでしょうね。

 最近はテレビの歌番組が少なくなりましたが、全国にネットワークを持ち、『のど自慢』や『うたコン』など、生放送の音楽番組をいくつも制作しているNHKが日本のライブエンタテインメントに果たす役割は大きいと思っています。特に紅白は大衆音楽の歴史ですし、継続は力ですから、今後も使命感を持って続けていってほしいですね。

【プロフィール】
都倉俊一(とくら・しゅんいち)/東京都出身。学生時代をドイツで過ごし音楽の基礎を学ぶ。1969年、作曲家としてデビュー後、数々のヒットを放ち、海外でも音楽活動を展開。現在は日本音楽著作権協会特別顧問、アジア・太平洋音楽創作者連盟会長などの要職を務める。2018年文化功労者。

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

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