精神科医・香山リカ選出 元気が出るスポーツ小説BEST3紹介

NEWSポストセブン / 2012年12月30日 16時0分

 毎週、週刊ポストの書評委員がオススメの本を紹介する「この人に訊け!」。今回は、精神科医の香山リカ氏に、「スポーツ小説から元気をもらう」というテーマで3冊ピックアップしてもらった。以下、その3冊と香山氏の解説だ。

【1】『野球小僧』(島村洋子/講談社)
【2】『空の拳』(角田光代/日本経済新聞出版社)
【3】『ラストダンス』(堂場瞬一/実業之日本社文庫)

【1】の作者は華麗な男性遍歴を痛快に語るエッセイでも知られる女性だが、本書は「あなたがいちばん好きなのは、オトコじゃなくて野球だったんだ!」と快哉を叫びたくなるような、野球への愛にあふれた物語だ。高校野球への夢破れた主人公は、一時は野球や関係者を恨みもするが、やっぱり野球の周辺から立ち去ることができない。甲子園球場の整備のバイトについた彼を待っていたのは何なのか。かつての野球少年なら、胸が熱くなることは必至だ。

【2】は名人・角田光代が初めて挑んだボクシング小説。この命懸けのスポーツを通して成長していく登場人物たちも魅力的だが、なんと言ってもリングの上の描写がすばらしく、映像が目に浮かび拳に汗を握る。

【3】はプロ野球というステージをまさに降りようとしているふたりのベテラン選手が、期せずして再び表舞台に立つ物語。スポーツっていいな、スポーツしている男っていいな、とじんわり元気がわいてくる。2013年は傑作プロレス小説の登場を期待している。

※週刊ポスト2013年1月1・11日号



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