中国各地で大規模停電相次ぐ 豪州産石炭の輸入中止が原因か

NEWSポストセブン / 2021年1月19日 7時5分

オーストラリアへの経済的報復が仇に?

 中国上海市では1月6日夜から7日の夜にかけて、複数の地区で停電が発生した。ネット上では「氷点下7度、停電」、「耐えられない」、「凍死しそうだ。なんとして!」などとの書き込みが相次ぎ、厳寒のさなかの停電に悲鳴が上がっていた。中国では昨年12月下旬に広東省や湖南省、江西省、陝西省など、上海以外でも停電が相次いでいた。

 中国は関係が悪化しているオーストラリアへの経済的報復として、豪州の主要な対中輸出品である石炭の輸入を中止しており、火力発電所用の石炭が不足していることが中国各地での突然の停電の原因とみられている。ネット上では「天に唾するのと同じ」「われわれは中国指導部のつたない外交政策の犠牲者だ」などとの声が出ている。上海市「新民晩報」が報じた。

 上海では1月7日午後9時現在で1日の最大電力消費量は3339万キロワットで、昨年夏のピーク時の3311万キロワットを超えて過去最高を記録した。これは昨年12月から今年初めてにかけて例年にないほどの強い寒気が発達したためであり、暖房設備が短時間に集中的に使用された結果、一部の地域で電力消費量が急激に増加。供給不能となって、停電が発生した。

 6日に停電が発生したのは市内全域の2855カ所で、上海電力の従業員ら3000人以上が出動し、修理に当たった。さらに、翌7日には前日の1.6倍の4569カ所で停電が発生し、6853人が動員されという。

 ネット上では「19時35分に停電し、22時にようやく復旧した」「上海はマイナス7度だ。このままでは凍死する。エアコンが作動しないと耐えられない」との窮状を訴えるものから、「上海市民は夜間の停電を歓迎する。エネルギーを節約し、国家に貢献するのだ」などとのユーモアを交えた書き込みまであった。

 これに先立つ12月下旬には、湖南省や江西省などで夜間の電力使用制限措置が発令されている。中国でこのような電力使用制限措置がとられたのは、この20年間では例がない。

 中国のエネルギー政策を含む中国の経済政策全般を立案、実行する中国国家発展改革委員会は事態を重視し、「冬以降の電力需要の急速な増加に直面し、関連部門や電力会社と積極的に対策を講じ、電力需要を効果的に保護し、電力供給が全体的に安定し、秩序だったものであることを保証する」などとの声明を発表した。しかし、電力使用制限措置がとられた理由について明らかにしていない。

 米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」などは「中国政府は昨年10月以降、非公式に豪州産石炭の輸入を禁止し、豪州以外からの石炭の輸入を急いでいるが、絶対量が足りない状態だ。電力使用制限や突然の停電の原因は中国政府の短絡的な対外政策のせいだ」などと論評している。

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