東京五輪中止なら「湾岸タワマン」の価格相場は本当に下がるのか

NEWSポストセブン / 2021年1月20日 7時5分

東京五輪の選手村。五輪後に分譲マンション「晴海フラッグ」に生まれ変わる(時事通信フォト)

 新型コロナ感染の収束が見通せない中、今夏に開催予定の東京五輪・パラリンピックの再延期もしくは中止論が日増しに高まっている。仮にオリンピックが中止になった場合、不動産市場にも影響を及ぼすとの予測も出ているが、果たして本当なのか──。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がレポートする。

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 2021年7月に開幕する予定の東京五輪に暗雲が漂ってきた。年明けからNYタイムズやブルームバーグなど、海外のメジャーなメディアが五輪開催を危ぶむ報道記事を出し始めたばかりか、菅内閣の閣僚からも「開催は不透明」という発言が出てきた。

 現状から考えると、開催はいかにも避けるべきと思える。選手団へのPCR検査の徹底や入国後の自主隔離、あるいは無観客での協議開催といったイレギュラーな措置を採ったとしても、五輪関連でのクラスター発生は避けられないと予測できる。

 最悪の場合は、多くの来訪者が発症して命の危険にさらされることだってあり得る。最早、現実的に考えると五輪開催はかなりの確率で危うい。例えば、「今から2週間後の開催」というスケジュールであれば、100%不可能だと言える状況だ。

 仮に五輪が中止になった場合、東京のマンション市場にどのような影響があるのかを考えてみたい。

 その第一歩として、2013年9月に東京五輪の開催が決まったことで、この街のマンション市場がどのように変化したかを振り返ってみよう。

閑古鳥が鳴いていた湾岸タワマンが次々完売

 それは、混迷の民主党政権が終わって1年ほど経ったころだった。第2次安倍政権の1年目。その年の3月には黒田東彦氏が日本銀行の総裁に就任。市場にマネーを大量投下する異次元金融緩和が始まって約半年ほどが経過しようとしていた。

 IOCのロゲ会長から「TOKYO 2020」というカードが示されたとき、安倍総理や猪瀬東京都知事(肩書はいずれも当時)が席から飛び上がって狂喜する映像を記憶に焼き付けている方も多いと思う。

 東京のマンション市場では、その翌日から大きな異変が始まっていた。それまで閑古鳥が鳴こうかという有様だった、湾岸エリアで販売中のタワーマンションのモデルルームに見学の予約が殺到。押すな押すなの大盛況のうちに、販売住戸は次々に完売。市場は一気に五輪祝祭ムードに包まれた。

 さらに五輪開催決定後に売り出されたタワマンは価格がそれでまでの1.2倍程度に上昇。それでもスムーズに完売していった。今では2013年当時のおよそ1.5倍にまで相場観は上昇している。

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