中国と韓国の「キムチ発祥論争」 年を越しても激化続く

NEWSポストセブン / 2021年1月24日 7時5分

年を越しても、キムチ論争は収まる気配を見せない…

 韓国の漬け物「キムチ」をめぐって、中国と韓国の論争が激化している──。中国四川省眉山市はキムチの中国語表記である「泡菜(パオツァイ)」と呼ばれる地元特産の食品について国際標準化機構(以下、「ISO」)の承認を受け、国際的な食品規格を制定し、「キムチは中国発祥だった」と大々的に宣言した。これに対し、韓国側が猛反発、官民挙げて「中国は文化泥棒」と非難の大合唱となっている。

 中国共産党で情報、治安、司法、検察、公安などの部門を主管する党政法委員会も負けじと「キムチは、中国5000年の歴史の文化遺産だ」とやり返すなど、「キムチ論争」は国家間の批判の応酬に激化しつつある。

 泡菜はダイコンやニンジンなどの野菜を塩漬けにした中国の漬物だが、中国メディアによると、眉山市の泡菜の歴史は約5000年前から脈々と続いている。2020年1月~10月までの間に160億元(約2500億円)もの売上高を誇り、同市では「中国泡菜食品国際博覧会」と称するイベントが開かれるほどだ。

「中国キムチ」が国際認定されたことで、党機関紙「人民日報」傘下の国際専門紙「環球時報」は11月下旬、「中国がキムチの国際基準を作った」として「キムチ宗主国と自慢している韓国には屈辱的」という見出しで記事を掲載した。これに対して、韓国紙「中央日報」は「韓国のキムチと中国のキムチは別物だ」「中国は韓国のキムチ文化を侮辱した」などと中国側の動きを非難している。

 年を越しても、キムチ論争は収まる気配を見せず、韓国誠信女子大学の徐敬徳教授が1月18日付米紙「ニューヨーク・タイムズ」に「韓国のキムチは世界の人のためのもの」というタイトルを付けた意見広告を掲載。そこには「キムジャン(キムチの漬け込み)文化は2013年国連教育科学文化機関(ユネスコ)人類無形文化遺産に登録された。歴史的に数千年間、韓国の代表食文化として継承してきた。現在は世界の人々が愛する醗酵食品に位置づき、韓国のキムチは世界の人のものになった」という説明があった。

 さらに、529万人以上のチャンネル登録者を抱える韓国の人気ユーチューバー、Hamzy(以下、ハムジー)氏が「キムチは韓国の食べ物なのは当たり前」と発言したところ中国から大きな批判が沸き上がった。ハムジー氏が重ねて「(私の発言の)どこが誤っているのか分からない」というコメントを投稿すると、ハムジー氏の中国の所属事務所は1月17日、「彼女との契約を解除する」と通告。公式コメントで「最近、ハムジーの中国に対する侮辱が(中国の)大衆に極めて深刻な悪影響を及ぼしており、今日限りで全ての協力を終了することを正式に決めた」としたうえで、「中国のファンを傷つける発言によって、中国のファンの感情と中国共産党に対するわが社の信頼を深く傷つけた」と発表した。

 この声明の発表は、党政法委員会が1月13日にハムジー氏の発言などについて「有名なユーチューバーや韓国が『キムチは韓国のもので、干し柿も韓国のものだ』などと、すべてのものにことごとくケチをつける理由は、自分たちに対する自信が足りないからだ」などと批判したことが原因とみられる。

「キムチ論争は」まだまだいろいろなところに飛び火しそうだ。

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