年明けうどん 紅い具材添え15日までに食べて1年の幸せ願う

NEWSポストセブン / 2013年1月5日 16時0分

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京都祇園にオープンしたうどんミュージアム

2013年のトレンドは「うどん」だ。大人力・コラムニストの石原壮一郎氏が「大人にとって大切なことは全てうどんから学べる」と力説する。

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「年明けうどん」という言葉をご存知でしょうか。元旦から15日までのあいだに、純白のうどんに、新春を祝う紅い具材を添えた紅白のおめでたいうどんを食べることで、その年の幸せを願うというもの。紅い具材は、梅干し、かまぼこ、金時人参のかき揚げ、海老のてんぷらなど、紅ければなんでもかまいません。

 うどんは太くて長いことから、元々、長寿を祈る縁起物とされてきました。「年明けうどん」は、さぬきうどん振興協議会が提唱し、2009年のお正月から大々的に普及活動がスタート。ほかの地方のうどんも呼びかけに応えて参加したり、年明けうどん用のカップ麺が販売されたりなど、徐々に広まりつつあります。

 何を隠そう2013年は、うどんに注目が集まる一年になりそうです。一時期のさぬきうどんブームは落ち着きましたが、ふと気が付くと、全国どこに行っても「丸亀製麺」(現在670店舗!)があり、以前は蕎麦が幅を利かせていて(細いくせに)うどんに馴染みが薄かった東京でも、当たり前のようにうどん屋さんを見るようになりました。大阪発祥で東京にも5店舗がある「つるとんたん」は、どの店舗も常に行列が絶えません。

 2012年の暮れには、京都祇園に全国各地のうどんを集めた「うどんミュージアム【うどん博物館】」がオープンしました。「多様性があるのが、うどんの魅力。ここでいろんなうどんに出合って、それぞれの地元にもぜひ足を運んでもらいたい。うどんで日本を活性化できたら」とは、代表理事の高屋友明さん。

 関東ではおなじみのチェーン店「山田うどん」の魅力に迫った本も、2012年11月に出ました。その名も『愛の山田うどん-廻ってくれ、俺の頭上で!!』(北尾トロ&えのきどいちろう著、河出書房新社)。いろんなところで、うどん大ブレイクの予兆が感じられます。

 個人的に熱烈にプッシュしている伊勢うどんだって、黙っちゃいません。今年は伊勢神宮が20年に一度の式年遷宮を迎えます。しかも出雲大社とのダブル遷宮。いろんな形で伊勢が話題になり、必然的に伊勢うどんの人気や知名度もアップするでしょう。太くてやわらかい麺が特徴で、いわばさぬきうどんとは対極の存在である伊勢うどんがメジャーシーンに躍り出てくれば、日本人の価値観全体に大きな揺さぶりをかけるはず。

 そう、じつはうどんは大人にとって大切なことをたくさん教えてくれます。コシを重視するうどんもあれば、伊勢うどんのようにコシが無いことを良しとするうどんも少なくありません。正解はひとつじゃないということ、目指すところが違ってもわかりあえるということ、どんな具材どんな味のツユともそれなりにうまくやっていける懐の深さ……。

 年明けうどんをすすって、今年の幸せを祈りながら、うどんの教えを噛みしめてみてはいかがでしょうか。少なくとも、お正月のご馳走で疲れた胃を休めることはできます。



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