『水どう』名物D藤やん「戦争と国家」「日本の役割」を語る

NEWSポストセブン / 2013年1月1日 7時0分

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「今年はどうでしょうの新作も撮影予定です」と藤村忠寿氏

 北海道発のローカルバラエティー番組、しかもレギュラー放送終了から10年も経つのに、いまなお全国区の人気を誇る「水曜どうでしょう」。その生みの親であるディレクターの“藤やん”こと藤村忠寿氏(現・北海道テレビ放送エグゼクティブディレクター)は、現在もテレビドラマや舞台の演出、講演会や著書の執筆など多忙な日々を送る。

 2013年元旦――。新年を迎えた藤やんが語るのは、日本の国家的役割について。もちろん、多くのファンが待ちわびる「水どう」の使命も果たそうと、新作への抱負を聞かせてくれた。

 * * *
 2013年の年が明けました。今年、家族に、会社に、日本に、平和な日々が続けば良いなと思います。

 昨年、もう年も終わろうかとしている時に、衆議院の総選挙が行われました。その結果「国防軍創設」を標榜する政党が圧倒的支持を得て日本の政権を勝ち取りました。

 4年前に撮影したドラマ「歓喜の歌」がドイツの映像祭で賞を取り、ハンブルグで行われた授賞式でスピーチをしたことがあります。そこで私は、こんなことを言いました。

「私は20時間かけて日本の北海道という最北の地から来ました。私が初めて演出したドラマにドイツの方々が賞を与えてくれたからです。やっぱりドイツは60年前から我々日本人の友人だったんですね。今日はアメリカ人もいないので、思いっきり楽しみましょう!」

 その瞬間、それまで静かだった会場内のドイツ人たちが拳を振り上げて立ち上がり、ものすごい拍手を送ってくれました。壇上を降りて席に戻るまでの間に何人ものドイツ人に握手を求められ、トイレに行っても隣で用を足してるドイツ人たちが私に向かってガッツポーズをしていました。

 これはなにも、私があの忌まわしい戦争を賛美して言った言葉ではありません。ドイツ人は今でも「ナチス」「ユダヤ」「アウシュビッツ」という言葉にはとても敏感で、それはタブーであると現地の人に聞きました。だからこそ彼らは今、「環境先進国」という平和的な道で今度は世界のトップに立とうとしています。

 でも、だからこそ私は、目の前にいるドイツ人のクリエイターたちにこの言葉を言いたかったのです。とてつもなく重い十字架を背負うことになってしまった彼らに対して、同じように戦争で拭いきれない数々の十字架を背負ってしまった日本人として、私なりにかけてあげられる言葉として、それを言いたかったのです。

 十字架を背負い続けるのは、とても苦しいことです。きっとどっかで、その十字架を捨て去りたくなる時が来るんです。「ナチス」も「原爆」も、すべてを過去のものとして葬り去りたくなる時が来る。でも、そうならないために、背負っている荷物を、たまに、ちょっとだけ降ろして休むことも必要だと思うのです。

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