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フェムテックで可視化される「生理格差」 生理用品が買えない女性も

NEWSポストセブン / 2021年3月22日 11時5分

フェムテックで可視化される「生理格差」(写真/GettyImages)

 程度は違えど、女性を憂鬱な気分にさせる月経。近年では、女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」(※)の研究が進み、女性たちが密かに悩み、苦しんでいたことに光が当てられ、猛スピードで解決に向かってコマが進んでいく。

【※「female」(フィメール/女性)と「technology」(テクノロジー/技術)を掛け合わせた造語で、「女性の健康課題をテクノロジーで解決するサービスや製品」】

 しかし、その新しさと速さゆえの落とし穴にも注意したい。「医療との線引きをしっかりしてほしい」と話すのは、産婦人科医の宋美玄さんだ。

「新興分野であるフェムテックは、製品やサービスの中には効果がみられないものや、疑わしいものもある。特に、医療でないと解決できないものを、フェムテックで解決しようとするのは考えものです。

 たとえば『更年期のホットフラッシュを緩和する』として、ひんやりしたものを当てるようなグッズもありますが、むしろ体を冷やすべきではない場合もある。ひどい生理痛や更年期障害は婦人科を受診すべき病気であり、医療が担うべき分野。“フェムテックに頼れば婦人科に行かなくてすむ”ということは絶対にあり得ません」

 不調の裏側に、がんや婦人病など大きな病気の兆候が隠れていることもある。一方で、フェムテック製品の中には、そうした病気の見落としを防ぐことも見越して作られているものもある。フェムテック製品のオンラインサイトを運営し、日本市場をリードしている「フェルマータ」でCOOを務める近藤佳奈さんはいう。

「吸水ショーツの中には、技術を持ちながらあえて吸水量を抑えているものもあります。女性の1回の月経周期内での正常な出血量は20mlから140ml。つまり1日で100ml出てしまえば、体に異常がある可能性があるということ。吸水量を多くしすぎると、それに気がつくことができないので、病院に行くきっかけを奪わないようにと工夫されています」

 また、現状ではフェムテック製品を手に取りづらい人もいる。東京・国分寺市の矢島助産院で助産師として勤務する傍ら、ラジオ番組『アイノカタチ.chu』のパーソナリティーを務める清水幹子さんは、この問題を「生理格差」として指摘する。

「確かにフェムテック製品は浸透してきており、周囲にも月経カップなどを使ったりしている人は増えてきました。しかし、価格はというと、ナプキンに比べてどれも安くはありません。いくら浸透してきたとはいえ、買いたくても買えない人がいる。その事実から目を背けるのは、月経が『なかったこと』にされてきたこれまでの社会と同じになってしまう」(清水さん)

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