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自動運転の進化で「自動車保険」はどう変わるのか 事故激減なら保険料は安くなる?

NEWSポストセブン / 2021年4月2日 7時5分

 現在、損保会社は自動車保険につける無料の「被害者救済費用補償特約」を提供している。

 既存の自動車保険では、事故での運転者や保有者の責任の有無や、その割合が確定するまで、保険会社からの被害者対応は行われない。

 自動運転の場合、事故の責任関係が当事者(運転者・被害者)だけではなく、メーカーやソフトウェア事業者にまで及ぶ可能性があるため、被害者の補償が遅れてしまうことが懸念された。この特約を付けることで、迅速な被害者救済が可能となる。

【被害者救済費用特約の補償内容(例)】

 ご契約されているお車の欠陥やハッキングなどを原因とする事故により、乗車中の方や歩行者などを死傷させ、または相手方のお車や他人の財物に損害を与え、補償の対象となる方が法律上の賠償責任を負わない場合に、保険金をお支払いします。ただし、欠陥やハッキングなどの事実がリコールや警察の捜査などの客観的な事実により確認できる場合に限ります。

※イーデザイン損保の「自動車保険 用語集『被害者救済費用等補償特約』」より

自動運転が進むと、自動車保険の保険料はどうなる?

 最後に、自動運転が保険料に与える影響について考えてみよう。

 2018年度に契約車両1台あたりの平均で、自賠責保険料は2万5000円、自動車保険は5万7000円に上っている(損害保険料率算出機構の統計による)。合計で年間8万円超と、結構な金額の保険料負担となっている。

 保険料は事故による損害賠償等の保険金支払いを契約車両で分担する形で設定される。事故が発生しにくくなったり、事故に遭っても重傷になるのを避けられたりする装置を付けた自動車には、保険料の割引きも行われてきた。たとえば、自動ブレーキ割引や、エアバッグ割引などだ。

 その延長線で考えれば、何十年か先に、完全自動運転の自動車だけの社会が実現して、自動車事故が減少すれば、保険料は低下する可能性があるといえるだろう。

 ただ、そうなるまでの移行期間は様々な自動運転レベルのクルマが混在する。人が何らかの形で運転に介在する限り、事故は起こるだろう。加えて、サイバーセキュリティー問題など、自動運転ならではの原因で事故が起きる可能性もある。当面はこれらの要素をどのように保険料に反映していくか、損保会社の模索は続くだろう。

 今年になって、保険料に自動運転車の安全性を反映させる自動車保険を取り扱う会社も出てきた。走行距離や運転挙動に応じて保険料を設定する「テレマティクス自動車保険」について、「自動運転モード」中の走行距離・運転挙動を運転分保険料に含まずに、無料化するという取り扱いだ。

 たとえば、所定の条件のもとで、年間走行距離1万2000kmのうち、レベル3の自動運転モード利用が6000kmだった場合、保険料は11万6040円から9480円下がって10万6560円になるという(あいおいニッセイ同和社「タフ・つながるクルマの保険プラス」のプレス資料より)。

 今後、自動運転システムの開発は、さらに高いレベルへと進化していくはずだ。これに伴って、自動車保険の役割にも大きな変化が求められるだろう。

 レベル5の「完全運転自動化」が達成されるときに、自動車保険はどのように変わっているのか、今後の動向に注目していきたい。

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