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媚中ビジネス続ける日本企業 二等国の烙印を押されかねない現状

NEWSポストセブン / 2021年4月20日 7時5分

ユニクロは中華圏の売り上げがすでに日本国内を上回っているという(時事通信フォト)

 中国政府が新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人を強制収容所に送り、強制労働などの弾圧を続けている人権問題は、日本を代表する企業にも影響を及ぼしている。

 昨年9月、豪シンクタンク「豪戦略政策研究所」がウイグル人の強制労働に関する報告書を公開したが、強制労働との関与が疑われる企業としてアップル、BMW、サムスン、フォルクスワーゲンなどの世界的企業のほか、日本からは前述のユニクロ、無印良品、しまむら、パナソニック、ソニー、日立製作所、TDK、京セラ、三菱電機、シャープ、任天堂など、14社が名を連ねていた。

 日本ウイグル協会らがこの14社に対して質問書を送ったところ、多くの企業が「強制労働の問題は確認できなかった」と回答した。

 このように日本企業が中国に対して及び腰になる背景には、中国市場での売り上げを失いたくないという思惑や、中国批判をすることで中国内での不買運動や現地企業への認証取り消し、関税の引き上げなどの“報復”を恐れているとの見方もある。

 もっとも日本企業のなかには、中国政府と歴史的に距離が近い企業も少なくない。

 パナソニックは創業者の松下幸之助が1978年、日中平和友好条約批准のため来日したトウ小平と面会し、「中国近代化に協力してほしい」と直々に要請を受けた。いち早く共産国への経済協力を行なった同社は、中国では“井戸を掘った人”として讃えられてきた。松下幸之助は2018年に「中国に貢献した10人の外国人」として中国共産党から表彰されている。

 日本製鉄(旧・新日鉄)は1978年、中国の製鉄事業に全面協力し、上海宝山製鉄所の建設に尽力。この国家的プロジェクトは小説『大地の子』(山崎豊子著)でも描かれた。

 日本は中国と物理的に距離が近いため、欧米のように明確な対立構造は取りにくい。

 だが、このまま媚中ビジネスを続けることのリスクもある。雑誌『経済界』編集局長の関慎夫氏が指摘する。

「日本企業の欧米でのブランドイメージが毀損され、グローバルスタンダードと乖離した“二等国”の烙印を世界から押されかねません。米国などは強制労働に関わった生産物や商品の輸入を禁止する動きを本格的に強めています。

 ユニクロは現在、テニスの錦織圭選手をアンバサダーとして起用しているほか、スイスのロジャー・フェデラーをはじめ世界のトップアスリートのスポンサードも積極的に行なっている。彼らに“NO”と言われた場合、今度はグローバル企業としての信用を失いかねない」

 踏み絵の前で立ち止まれる時間は、そう長くはなさそうだ。

※週刊ポスト2021年4月30日号

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