東京チカラめし社長「牛丼は寡占状態ゆえ競争の余地あった」

NEWSポストセブン / 2013年1月14日 7時0分

 東京地区で伸長を続ける「東京チカラめし」が関西に出店し、「すき家」「吉野家」「松屋」の3強を脅かす存在となっている。「冬の時代」と呼ばれる外食産業にあって、快進撃を続ける三光マーケティングフーズ(東京チカラめしの運営会社)の平林実社長に迫った。

──『東京チカラめし』の出店攻勢に、業界も世間も驚いた。

平林:スピード感がないと、競争には勝てません。2011年6月に第一号店を出し、1年半で120店舗を超えました。2014年中には500店舗に到達したい。「すき家」「吉野家」「松屋」の御三家が9割のシェアを占める牛丼業界への参入には迷いもあったのでは? 平林 社内からもずいぶん反対されました(笑)。

 居酒屋という商売で地歩を固め、会社も成長したのに、なぜ今さら「牛丼」で勝負するのか、と。でも、私は思うんです。「これでいい」と満足した途端に終わってしまう、と。勝負をやめ、守りに入った時点で、人は知らないうちに坂道を転がり落ちていく。

 平林氏率いる三光マーケティングフーズは、個室居酒屋というスタイルを提案した『東方見聞録』や、一品270円という価格破壊を実現した『金の蔵Jr.』などで一世を風靡した。総店舗数250を超える。“居酒屋の風雲児”が、御三家が席巻する牛丼業界に突如、参入した。それは業界内外に「無謀」と映ったが、この挑戦にこそ平林氏の哲学が凝縮されている。

──御三家の牙城は堅牢です。新規参入は難しいと言われた。

平林:社員にはいつも「常識を疑え」と言っています。確かに御三家は強力で、だから参入を諦めるというのが世間の常識です。しかし、常識に従っていては道は開けません。考えてみてください。「すき家」「??野家」「松屋」が市場をほぼ独占し、30年間も大規模な新規参入がなかったというのは異常です。

 逆の見方をすれば、栄枯盛衰が激しい外食産業の中にあって、長期間、牛丼という武器だけで繁盛し続けたという言い方もできます。つまり「牛丼」は優良素材なんです。灯台もと暗しで、長らく御三家の寡占状態にあった牛丼だからこそ、競争の余地があると思ったんです。

──しかも、肉を煮た牛丼ではなく、「焼き牛丼」で勝負に出た。

平林 :他人と同じことをやっても面白くありませんからね。他人と違うことに挑戦するからこそ、勝負しがいがある。「焼き牛丼」にしたのは、いろいろと試した結果、これがいちばん牛肉の味を引き立たせると思ったから。

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