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池袋暴走事故 トヨタの反論材料になった記録装置「EDR」で何が分かるのか

NEWSポストセブン / 2021年7月4日 7時5分

池袋事故で現場に残された事故車両とはねられた自転車(2019年4月/時事通信フォト)

 2019年4月19日に起きた池袋暴走死傷事故。事故を起こした旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三被告(過失運転致死の罪で公判中)はこれまで、「車(トヨタのプリウス)に異常があった」と一貫して無罪を主張してきたが、トヨタは「車両に問題はなかった」とする異例のコメントを出した。いったいなぜ、そこまで反論できたのか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が、カギを握る“記録装置”について分かりやすく解説する。

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 2019年に発生した東京・池袋でのプリウス暴走事故について、先般トヨタ自動車から「車両に異常や技術的な問題は認められなかった」というコメントが出たことが話題となりました。事故を起こした被告による「車両側に問題があった」という主張に対するトヨタの反論でした。

EDRに何が記録されるのか

 なぜ、そんな反論をトヨタができるのでしょうか。それは、トヨタのプリウスにEDR(イベント・データ・レコーダー)という機能が備えられていたからです。

 EDRとは何か。それは交通事故などで、クルマに大きな衝撃が加わったとき、その瞬間のクルマの状態を記録するという機能です。

 具体的に言えば、エアバッグが作動するような衝撃を受けると、その瞬間のアクセルやブレーキの操作状況、エンジンの回転数、車速、ギヤポジションなどが記録されます。電源が失われても記録は消去されません。

 つまり、EDR機能のあるクルマが交通事故に遭えば、その後、クルマのコンピューターを調べると、運転手の操作状況などがすぐに判明してしまうのです。

データ分析のアナリストも存在

 また、EDRがあれば、運転手の操作ミス以外にも、交通事故の状況をより詳しく知ることができます。

 複数台が絡んだ追突事故で、どのような順番でぶつかったのか、どれくらいのスピードでぶつかったのか、また、何度衝撃を受けたのか──といったことが推測できるのです。そのため、EDRの記録は警察だけでなく、保険会社による事故調査にも活用されています。

 実際にEDRのデータを分析するアナリストも存在します。EDRデータを読みだす機器CDR(クラッシュ・データー・リトリーバー)を製造するボッシュ社では、データ分析を行う公認アナリストの養成も行っています。

進化する電子制御技術

 昔のクルマには、そうした機能は備わっていませんでした。エンジンは、アクセル・ペダルにつながったワイヤーで、ブレーキはペダルにつながった油圧装置で操作するという、アナログな方法だったからです。

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