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死刑確定の筧千佐子被告 最後の面会で語った「最初の旦那は殺していない」

NEWSポストセブン / 2021年7月15日 16時5分

「ご無沙汰しています。こないだ最高裁で判決が出たでしょ。それでもう会えなくなるから、今日は千佐子さんに最後のご挨拶ができればとやって来ました」

 私がそう口にすると、彼女は表情を変えずに切り返す。

「まあね、私も覚悟してるから。生きる気力もなくなって、明日、1年後、3年後、まったくわからんからね。そうや先生、私が死ぬのわかったら、教えに来て」

 以前から千佐子は私のことを「先生」と呼ぶ。たぶん他の記者に対しても同じだろう。どう思っているかということではなく、便利な呼称として使っているのだ。

「教えに来てって……」

 私が言葉に詰まると、彼女はアクリル板に顔を近づけ、速射砲のように話し始めた。

「そら、怖さがないと言ったら嘘になるよ。もともと小学校の頃から怖がりなんやから。せやから、(死刑については)あえて思わないようにしてるんよ。これからなにしたいとか考えたら、よけい落ち込むわ。もうね、明日なに食べるかとかしか考えとらんのよ」

 ふだんは弁護士から差し入れてもらった本を読んだり、房内で流れるラジオを聴いたりして過ごしているという。私が被害者への気持ちを尋ねると、千佐子は顔の前で手を左右に振り、突き放す。

「もうね、私は裁判ですっかり悪い人にされとるからね。なんとでも思ってくれたらいいわ。それだけ」

 千佐子はこれまでに、被害者への謝罪をほとんど口にしていない。京都地裁での裁判のなかで、とある被害者へのいまの気持ちを聞かれた際も、次のように答えている。

「申し訳なかったのが50パーセント。やっぱり彼に対して不信感、腹立たしい気持ちが50パーセント。それは複雑です」

 このように、自分の犯行について、相手に非があったかのような物言いを繰り返すのだ。彼女には、物事が自分の思い通りに運ばないことに対して、常に強い被害者意識を抱く傾向がある。私自身も過去の面会時に、大学に進学させてもらえなかったことや、最初の結婚時、嫁ぎ先で夫の親族に蔑まれたことなどの愚痴を幾度も聞かされてきた。常に自分は弱者であるとみなし、相手が悪いとしたうえでの、「ルサンチマン(怨恨・憎悪・嫉妬の感情のうっ積)」が、一連の犯行に繋がっている気がしてならない。

 私はすでに最高裁の判決も出ているのだから、いまならこれまでに話せなかったことを話せるのではないかと口にした。そして、犯行に使用した青酸化合物はどのように入手したのか聞く。

「青酸を手に入れる手腕がないもの。あんな危険なもの。そんなん知りません。私ももう72やからね。それすら忘れてる」

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