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死刑確定の筧千佐子被告 最後の面会で語った「最初の旦那は殺していない」

NEWSポストセブン / 2021年7月15日 16時5分

「千佐子さんは72やなくて、74でしょ」

「え、そやった? 私の歳は72で止まったままなんよ。あとね、私の過去は全部消えたんよ。これまであれやこれや、起きたことを書いてたメモを弁護士に渡したからね。それがないと、もうなんも思い出せんの」

 京都地裁での公判や、その判決後に私と繰り返した面会のなかでも、千佐子は記憶の減退を訴えていた。それは最高裁の判決が出ても変わらないようだ。私はもうひとつ、この機会に聞きたいと思っていたことを質問する。

「千佐子さんね、もうこの際だから聞くけど、最初の旦那さんは殺害してないの?」

 千佐子は最初の夫である矢野正一さん(仮名)と1969年10月に結婚すると、実家のある福岡県北九州市を離れ、大阪府貝塚市に移り住んで2児を産んでいた。同所で印刷会社を立ち上げた正一さんは、事業が傾いたことで借金を重ね、1994年9月に54歳で亡くなっている。体調を崩して入院を重ねるなか、退院して自宅に帰ってきたタイミングでの死だった。そのとき千佐子は47歳である。以来、彼女は結婚相談所を通じて出会った男性と交際を繰り返し、相手の男性が次々と亡くなっていた。なお、裁判でも青酸化合物の入手先は特定されなかったが、千佐子は公判中の被告人質問で、印刷会社に出入りする業者から「プリントをミスした際に消すための薬品」として貰ったとの証言をしている。

「旦那は(殺)してない。私、これまでたくさんの人と別れたりしてきたやろ。もう誰がとか憶えてません」

「なら次の人は? ほら、大阪市の××(地名)に住んでた人……」

「え、誰やった?」

「千佐子さんに××競技場のそばのマンションを買ってくれた人がいたでしょ」

「そんなんもう憶えてへんわ」

 千佐子の口から、元交際相手の名前が出ることはなかった。それは以前の面会時でもそうで、こちらが相手の住む地名や職業、その他の特徴を挙げてやっと、「ああ、あの人ね」とはなるが、相手の名前が出てくることは稀なのである。そこに恋愛感情があったとは到底思えない対応だった。

 筧千佐子という名前で世間に知られる彼女だが、それはあくまでも逮捕時に、被害者である筧さんという男性と入籍していたから、その苗字が使われているにすぎない。彼女自身にその苗字への思い入れはないし、筧さんの親族にしてみれば、不本意なかたちで苗字が使われ、迷惑千万といったところであろう。

「そういえばね、先生。私、殺される前に臓器提供をしたいんよね。私、この通り健康やからね。弁護士にもそう言ってるんよ」

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