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電動歯ブラシのリスク 隅々まで磨けない、歯が余分に磨り減る恐れも

NEWSポストセブン / 2021年7月21日 11時5分

「歯周病ではまず歯と歯茎の間にプラーク(歯垢)が溜まり、そこで歯周病菌が繁殖して歯茎に炎症を起こします。やがて歯を支える骨まで溶け、最終的に歯が抜け落ちるという病気です」(沼部教授)

 厚労省「歯科疾患実態調査」(2016年)によると、日本人の35~59歳の約7割が歯周病に罹患しているという。20~34歳でも6割に所見が見られ、歯周病はもはや“国民病”と言えるだろう。沼部教授が続ける。

「歯周病の初期段階は『歯肉炎』で、歯の周りの歯茎の軽い腫れや歯茎からの出血を伴います。ただし、自覚症状が少ないため、気づかないうちに悪化して『歯周炎』になるケースが多い」

 歯茎の腫れに気づかず、誤った歯磨きをするとどうなってしまうのか。

「一般的に、電動歯ブラシのグリップは手用に比べて太い。そのため手指の感覚が鈍くなりがちで、ブラシを歯に当てる力加減や角度のコントロールが難しくなります。

 歯周病に気づかず、電動歯ブラシの強いパワーで腫れた歯茎に直接力任せに当ててしまうと歯茎を傷つけ、痛みを引き起こす可能性がある。そのため歯周病の患者さんには、微妙な力のコントロールや動かし方ができる手用ブラシが第一選択になると私は考えます」(沼部教授)

 キーデンタルクリニックの小林保行院長もこう警鐘を鳴らす。

「電動歯ブラシは、確かにプラーク除去の効果は高いのですが、効果を過信するあまり、手磨きより磨き残しが多くなるケースがあります。間違った使い方を続ければ、歯肉を傷つけ歯と歯茎の間の歯周ポケットをより深くしたり、歯の表面のエナメル質を傷つけたりすることになる。これが歯周病を引き起こし、悪化させる原因となり得ます」

 実際、こんなケースがあったという。

「『半年以上、電動歯ブラシを使っています』と言って受診に訪れたある50代の男性患者は、いざ診察するとプラークだらけで重度の歯周病でした。実際、歯の表面は磨けてツルツルなのですが、歯と歯の間などは全然磨けていなかった。電動歯ブラシへの過信が、口腔内の環境を悪化させる一因となったのではないかと考えます」(小林院長)

※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号

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