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64才女性記者 ユニクロCMで感じた「誰かと生きるか、ひとりで生きるか」

NEWSポストセブン / 2021年7月28日 16時5分

LGBT対応した多目的トイレマーク(写真/時事通信フォト)

 ぼーっとテレビを見ていたら、「あら?」と自分の意外な感情に気づくことがある。女性セブンの名物アラ還記者“オバ記者”こと野原広子が、ユニクロのCMを見て感じたこととは?

 * * *
「ん? どういうことなの?」から、「そうか、なるほどね」まで2、3分かかったと思う。

 同居している若い女性カップルの日常を切り取った、ユニクロのCMのことだ。4月末から流れていたそうだけど、私が気づいたのは一昨日。

 CMの2人の関係性がわかるのは生花店のシーンだ。2人連れ立って来店すると、綾瀬はるか演じる店員さんから「もしかして記念日ですか?」と尋ねられて、互いにはにかむ。そして、「2人がしたいことは、みんながふだん着でしていること」とナレーションが入り、手をつないでいる画に「風通しのいい世界へ。」という文字が重なる。

 64才のいままで、時代の節目になるCMに驚いたり、ショックを受けたり、笑ったりしてきたけど、この60秒ほど目も手も止まったことってあったかしら。それなのに自分が何に驚いているのかうまく説明がつかない。気持ちが落ち着かない。そこでその正体をちょっと考えたくなったの。

 最近よく耳にする「LGBT」はレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった略語で、こうした人たちに対する差別意識をなくすために法整備をしようという動きがあったことは、衆議院議員会館で雑用のアルバイトをしている私の耳にも入ってきた。

 一方、ユニクロといえば、数年前から商品の配置を男女で分けるだけでなく、どっちでもいいよというユニセックスのコーナーができて、シャツやパンツなどレディースサイズでは窮屈な私はとても便利になった。カジュアル服に男も女もないしね。

 が、それだけではない。衝撃はおそらく私の個人的な事情もあると思う。

「あなた、ちょっとぉ! ここは女子トイレですよッ」

 いまでこそ典型的なおばちゃん体形の私だけど、10代後半から20代前半はぺたんこ胸でガッチリ型。よく、「ちょっと兄ちゃん」と呼び止められた。けど、そのときの私は駅の女子トイレに入った途端で、トイレから出ようとしているおばさんはすれ違いざまに私を男に間違えて怒鳴った。ムッとして「私、女子ですけどッ」と気色ばんだ。

 そのくせ怒りがすぐに収まったのは、心のどこかで、「しょうがないかな」という気持ちもあったからだ。私は性別は女だけど、見た目だけでなく、私の中に男性が棲みついていたからだ。

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