別名「たばこ病」のCOPD「適量守れば禁煙の必要なし」と識者

NEWSポストセブン / 2013年2月1日 7時0分

COPDという病名を聞いて、どれほどの人がピンとくるだろうか。正式には「慢性閉塞性肺疾患」といい、肺気腫や慢性気管支炎といった病気の総称をこう呼ぶようになった。

 何週間も続く咳や歩行中の息切れが激しくなったら真っ先にCOPDが疑われる。重症化しながら放っておけば、肺炎はおろか、骨粗しょう症や動脈硬化などの病気を併発する恐れもあるという。東京都内の呼吸器科医師はこう話す。

「気管支炎や肺炎はありふれた病気だからといって侮ってはいけません。肺は血液中の酸素と二酸化炭素を入れ替える働きをする大事な臓器。このガス交換を行なっているのが気管支の先についている肺胞で、ここの炎症度合いが進めば、呼吸困難で日常生活を送ることさえままならなくなる危険性があります」

 厚生労働省の調査(2008年)によると、現在、COPDの国内推計患者数は約530万人と見られているが、そのうち病院で診察・治療を受けた患者はわずか17万人程度。早期発見・治療の重要性がなかなか認知されないために、COPDによる死亡順位は2010年に9位に浮上してしまった――と、医師や患者団体などが啓蒙活動を急いでいる。

 そこで、持ち出されている身近な予防法が「禁煙」のススメである。

「COPDは喫煙、ちり、化学物質などを吸い込むことで起き、特に原因の9割はたばこの煙。喫煙者の2割が吸い始めてから20~30年後に発症するとされています。百害あって一利なしのたばこは止めるに越したことはありません」(前出の医師)

 しかし、「すぐに禁煙、禁煙という医師は信用できない」と、たばこ害悪論を真っ向から否定するのは、中部大学教授の武田邦彦氏だ。

「もちろんCOPDにたばこが無関係だとは思いませんが、1日の喫煙本数×年数で700を超えなければCOPDの危険は高まらないといわれています。例えば25歳から60歳までの35年間、1日1箱(20本)を吸ったとしてちょうど700。つまり、1日1箱以内ならたばこも楽しみながら吸っていい。無理に禁煙することはありませんよ」

 武田氏の話す目安は「ブリンクマン指数」といい、400以上でCOPDの発症率が高まると指摘する医師もいるが、近年主流になっている低タール、低ニコチンのたばこを長年吸っていれば、弾き出した指数も差し引きできる。

 そもそも、COPD患者の9割がたばこによる原因と決め付け、「たばこ病」の別名まで付けてしまうのは、少々乱暴すぎないか。

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