1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

劣勢のパナソニック リストラ進める新社長が「幸之助イズム」回帰を打ち出す訳

NEWSポストセブン / 2021年9月21日 7時5分

 持ち株会社制の狙いもそこにある。各事業会社の経営役員会議(来年4月以降は取締役会)で事業に関する権限を集中させ、事業の身売りや撤退の判断も事業会社に任せる方針だ。

 この構造改革および持ち株会社化を指揮する楠見社長は、京都大学大学院工学研究科を修了し、1989年松下電器(現パナソニック)に入社した。研究開発部門に配属され、津賀前社長とは当時から上司・部下の関係だった。

 津賀氏が社長に就任した当時、パナソニックは過剰投資したプラズマディスプレー事業の後処理に苦労していたが、同事業を終わらせたのも2人のコンビだった。

 社長就任への切り札になったと言われているのが、オートモーティブ社社長として車載向け角型電池をトヨタ自動車との合弁会社に移管したことだ。この合弁会社はトヨタが過半を出資しているため、パナソニックからトヨタへの事実上の事業譲渡ともいえる。

 以上のように、楠見氏は撤退や事業譲渡で実績を残してきた。そのため5月の社長就任会見で「2年間は競争力強化に集中する」と語った時も、リストラによる不採算部門切り捨てが加速すると受け止めた人が多かった。また就任直後に早期退職制度を導入したことも「楠見=リストラ」のイメージを一層強めることになった。

「幸之助イズムの破壊者」と言われた元社長

 早期退職制度で思い出すのが、3代前の社長で2000年に就任した中村邦夫氏だ。

 創業者の松下幸之助の方針もあり、松下電器にとって人員削減はタブーだった。ところが中村元社長は、早期退職制度による「人減らし」に踏み切った。さらには「破壊と創造」を掲げ、幸之助が「発明」した事業部制も解体したことから、「幸之助イズムの破壊者」とまで言われた。

 もっとも中村元社長は「創業者が生きていれば同じことをした」と語っていたが、松下電器にとってのターニングポイントであったことは間違いない。そうなると楠見社長も、中村元社長と同じ“破壊者”としてパナソニックを変えていこうとしているのだろうか。

 楠見社長は元上司の津賀前社長以上に合理的だという。津賀前社長は「利益率5%以下の事業からの撤退」を方針として打ち出していたが、実際に撤退したのは数えるほどで、それもパナソニックの利益率の低さにつながっている。楠見社長ならもっと徹底的に事業の見直しを進める可能性は高い。

なぜ今「水道哲学」を持ち出すのか

 しかしその一方で、楠見社長は幸之助イズムへの回帰を打ち出している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング