1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

ジェネリック「儲けのカラクリ」 医師は処方箋書くだけでボーナス

NEWSポストセブン / 2021年9月26日 7時5分

ジェネリックを処方すると…(イメージ)

 ジェネリック医薬品(後発医薬品)をめぐって、昨年以降、その安全性に疑いの目が向けられる事態が相次いで発生した。

 富山に本社があるジェネリック大手「日医工」では、出荷検査で不合格となった錠剤を取り換えて再試験を行ない、錠剤を砕いて再加工するなどの不正が発覚した。福井県の医薬品製造「小林化工」では工場担当者のミスでジェネリックの経口抗真菌剤「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤の成分が混入していた。両社とも今年になり、業務停止命令の処分を受けた。

 それでも、患者がジェネリックを服用する機会は増え続けている。医療費削減を目指す政府は2013年、ジェネリックを普及させるロードマップを作成した。その甲斐あってか2013年に46.9%だった使用割合は、2020年9月時点で78.3%に増加している。

 なぜ医師や薬剤師はジェネリックを勧めるのか。大きな要因となっているのが、“ボーナス”を受け取ることができる「後発医薬品使用体制加算制度」だ。薬剤師の宇多川久美子氏が指摘する。

「病院や薬局がジェネリックを処方する割合に応じて加算点数を受け取れる制度です。ジェネリックを処方する割合が国の定めた基準を満たした病院や薬局には、診療や調剤報酬の保険点数(1点=10円)が加算されます。

 診療報酬は通常2年に1度改定されますが、その度にジェネリックの使用割合が上がると点数が高くなり、逆に使わないと点数が低くなるように改定されています。現在の病院の外来診療では、処方箋の受け付け1回につきジェネリックの割合が70%以上だと報酬として加算されます」

 薬局についても、別掲図のような加算がある。

「一方で、ジェネリックの割合が40%を下回ると2点減点される規定があります。この規定も2020年3月までは“20%以下だと減点”だった基準が改定で倍に上がりました」(宇田川氏)

 別掲図の保険点数だけを見ると、ボーナス点が高い薬局に有利な制度に見えるが実態は異なる。薬剤師の深井良祐氏はこう話す。

「ジェネリックは先発薬より3~5割も安く、ボーナス点数があるとはいえ、仕入れ値と売値(薬価)の差額である『薬価差益』はそれほど大きくなりません。薬局はさほど儲からないのですが、減点措置もあるため国の流れに従わざるを得ない状況です」

 だが、患者に薬を処方せず、「処方箋」を書く院外処方のクリニックの医師は儲けが大きいという。

「薬には先発薬の会社が付ける『商品名』と、有効成分を記した『一般名』があります。診療を終えた医師が処方箋に薬の名前を記載する際、一般名を書くと7点(ジェネリックが2品目以上ある場合)、または5点(ジェネリックが1品目の場合)が加算されます。

 商品名を指定した処方箋だと薬剤師は特定の先発薬しか出せませんが、一般名の処方箋だと薬剤師の判断で自由にジェネリックを出せるので、国が後発医薬品推進のためさらにボーナス点を与えたのです。自らは薬を出さないため薬価差益を考える必要はなく、処方箋に一般名を記入するだけでいいのです」(深井氏)

 この制度の導入によって一般名を記入する医師が増加。患者数が多ければ多いほどクリニックは儲かる。

「処方箋1枚あたり50円ほどの加算でも、1日の患者が多い人気のクリニックなどでは、『ジェネリック加算』が大きな収入源になります」(深井氏)

 多くの医師・薬剤師がジェネリックを推奨する裏にはこうしたカラクリもあるのだ。

※週刊ポスト2021年10月1日号

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング