寒ブリ以外の魚は大寒から彼岸までに漁獲されると「寒」付く

NEWSポストセブン / 2013年3月7日 16時0分

 高木道郎氏は1953年生まれ。フリーライターとして釣り雑誌や単行本などの出版に携わり、北海道から沖縄、海外まで釣行している。その高木氏が、魚の旬について解説する。

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 寒鰤寒鯔寒鰈。これは冬に美味しくなる魚を並べたものだが、水温が低下する寒の時期に旬を迎える魚はブリやボラやカレイに限らない。

 メジナ、ブダイ、フグ、アンコウ、スズキ、マグロ、ハタハタ、ワカサギ、コイ、フナなど多くの魚たちが冬になると脂肪を蓄えて美味しさを増す。淡水と汽水の旬魚を並べた「寒鮒寒鯔寒鱸」という言葉もある。

 夏が旬とされるイサキだが、冬に釣れるイサキも脂が乗って美味しい。冬の魚は低水温に備えて脂が乗るだけでなく、寒さで身が締まっているイメージがある。

 旬とは食べ頃や出盛り時期を意味する言葉だが、魚の旬はなかなか難しい。夏魚とされるスズキが本当に美味しいのは冬であり、脂の乗りは料理方法により評価が分かれる。イサキやシロギスのように抱卵時期の魚が旬と呼ばれるケースもあれば、逆に春のクロダイなどは卵に栄養を取られて美味しくないとされる。

 また、おもしろいことに同じメジナでも口太の旬は冬なのに、尾長(クロメジナ)は夏が旬である。見た目がそっくりなブリとヒラマサの旬も冬と夏に分かれるから不思議だ。

 ちなみに、寒ブリの寒は立春前30日(1月5日~2月3日)のことを言うが、魚の世界ではここから彼岸(3月21日頃)までに漁獲された魚すべてに「寒」の字が付けられる。

 冬は寒メジナや寒ガレイ、春はメバルやマダイ、初夏はシロギスやイサキ、夏は尾長やアナゴ、秋はクロダイやカワハギというように、昔は旬を追いかけて釣りの年間スケジュールが決まり、それが特定魚種の釣りすぎを防いでいた。しかし、最近は旬に関係なく人気魚種を追いかける釣り人が多くなった。

※週刊ポスト2013年3月15日号

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