南雲医師「がんは呪うものではなく生活を変えるチャンス」

NEWSポストセブン / 2013年3月13日 16時1分

 誰もが心配する「がん」。しかし、がんとは一体どういうものなのか、詳しいことまでは知らない人もいいはず。そこで、医学博士で乳腺専門医の「ナグモクリニック」総院長の南雲吉則先生が、「がん」が何なのかを解説する。

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 ミミズは、口からお尻まで1本の管でできているよね。ぼくたちの体も、消化管や気管、血管といった管でできていて、管の表面は粘膜で覆われているんだ。暴飲暴食や喫煙などの不摂生をすると、その粘膜が傷つく。すると、傷のまわりの粘膜が細胞分裂して、傷をふさいでくれる。これがいわゆる“自然治癒力”だね。

 それでも懲りずに不摂生を続けると、細胞分裂が限界に達してしまい、それ以上傷をふさげなくなるんだ。そのとき、限界に達した細胞に代わって、傷口を修復するために無限に分裂することができる修復細胞が現れる。この救世主の名を、がん細胞というんだね。

 というと皆さん、なぜ修復細胞が我々の命を奪うのか、不思議に思うよね。がんになった後も不摂生を続けると、傷はますます大きくなって、がん細胞は、大きくなった傷をふさぐために細胞分裂し続けなければいけないんだね。

 ぼくたちは、住んでいる家が狭くなったら建て増しや引っ越しをするよね。がん細胞も、大きくなって居場所がなくなったら、隣の臓器に建て増しをするんだ。これがいわゆる“浸潤”。遠くの臓器に引っ越しすることもあるんだけど、これを、“遠隔転移”と呼んでいるんだよ。

 がんは不摂生によって傷んだ体を救うために現れたものだから、けして悪者ではないんだよ。もしがんになっても、がんを呪うのではなく、生活習慣を改めるきっかけと捉えるといいかもしれないね。

「私を助けようと思ってがんばってくれたんだね。でももういいよ。私は生活習慣を改めたから。ご苦労様」と、むしろがんに感謝して、がんになった自分の行いと心を改め、生活習慣を改善すれば、がんの勢いは治まるはず。がんは生き方を変える道しるべ。自分自身の生き方をいい方向に変えていく、チャンスなんだよ。

※女性セブン2013年3月21日号

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