訪露の森喜朗元首相 銅像に献花しプーチン氏の琴線に触れた

NEWSポストセブン / 2013年3月21日 16時0分

 安倍晋三首相の特使として訪露しプーチン大統領と会談したロシア通の森喜朗・元首相は、どのようなメッセージをロシア側に伝え、どんな反応を得たのか。対ロシア外交の第一線で活躍してきた佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)の解説である。

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 日本のマスメディアはあまり注目していないが、プーチン大統領との会談前に、森氏が首相府横のストルイピン元首相の銅像に献花したことが重要だ。

 この銅像は、ストルイピンの生誕150年を記念して昨年建立されたものである。ストルイピンは、1905年の第1次ロシア革命後の混乱収拾や改革で大きな成果をあげた政治家だ。特にロシアの将来は、シベリアと極東の発展にかかっていると考え、投資と人口増加政策に取り組んだ。同時に反体制派に対する弾圧を徹底的に行なった。多くの革命家が処刑されたので、絞首台が「ストルイピンのネクタイ」と呼ばれたくらいだ。
 
 プーチン大統領はストルイピンをとても尊敬している。銅像建立のためにプーチン氏も寄付をした。昨年12月27日、プーチン氏はメドベージェフ首相とともにこの銅像に献花した。
 
 会談で、森氏はプーチン大統領に「100年前に極東開発の重要性を強調した帝政ロシア時代の首相ストルイピンの銅像を訪れ、献花した。あなたは、かつてストルイピンが行なった極東開発でロシアを強化していくという方針を、ひとつの原点として、国家運営に取り組んでいるのではないか」と質すと、プーチン大統領は「その通りだ」と答えた。また、献花に対してプーチンは「スパシーボ(ありがとう)」と謝意を述べた。ストルイピン銅像への献花という森氏の行動は、プーチン大統領の琴線に触れた。

※SAPIO2013年4月号

NEWSポストセブン

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