「東大・京大生で英語できない学生などいない」と瀧本哲史氏

NEWSポストセブン / 2013年3月31日 7時0分

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京大「英語化」は是か非か 京大客員准教授の瀧本哲史氏が語る

 京都大学の教養課程の「英語化」が話題を集めている。2013年度から5年間で外国人教員を約100人増やし、一般教養の授業の半分以上を英語で実施するというのだ。また、大学の入学試験を受ける基準として英語運用能力テスト「TOEFL(トーフル)」を活用する自民党・教育再生実行本部の提言が議論を呼んでいる。英語ができなければ大学に行けない時代が到来か――。

 この時代をどう生き抜けばよいのか。「交渉論」「意思決定論」「起業論」など、人気講義を担当する京都大学客員准教授で、エンジェル投資家でもある瀧本哲史さんに聞いた。

 * * *
――実際に京大で教えていらっしゃる先生は、京大の教養課程の英語化を、どう捉えていますか。

瀧本:まず、この件については大枠が発表されただけで、詳細など、決まっていない部分が多いです。ですから、私が知っている範囲に基づいた見解、ということになります。その前提で言いますと、京大ではすでに、英語での講義は行われているんですね。これは東大も同様です。つまり、英語で授業をするというのは、京大や東大にとって、新しくも何ともない。ただ、全体の授業における比率はそれほど高くないので、今回の京大の英語化は、この「比率」を上げていこうと動きです。そういう意味で、非連続の変化ではありません。

 そもそも大学は、グローバリゼーションが一番進んでいる分野なんです。もちろん、その他大勢の大学を含めると、すべてがグローバル化しているわけではない。ですが、東大・京大レベルは違います。分野にもよりますが、論文の発表は基本的に英語ですし、研究は、グローバルマーケットを対象にして行われる。大学院生も、海外の学会などでは、英語での発言が求められるなど、国際競争に晒されているんです。

――英語化は京大にとって、自然な流れだということですね。

瀧本:京大にとっては、創立の精神にも合っていると思います。京大はもともと、日清戦争の賠償金で創られた大学です。明治維新のファウンダーたちは非常に賢くて、長期投資として重要なのは大学だろうと考えた。それで、日清戦争で得た賠償金の一部を、東大のバージョンアップや、京大の創設に当てたわけですが、その時、京大を、東大とは違うモデルで設計したのです。東大は、政府に役立つ人材養成機関として創った。一方、京大は、研究機関として独立させようと。ですから、京大が、東大とは違う方針を打ち出していくのは、その成り立ちにも符合するのです。

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