平泉成「トップでなければやり甲斐ないということは全くない」

NEWSポストセブン / 2013年4月4日 16時0分

 名優たちには、芸にまつわる「金言」が数多くある。映画史・時代劇研究家の春日太一氏が、その言葉の背景やそこに込められた思いを当人の証言に基づきながら掘り下げる。今回は、人気俳優・平泉成の語る脇役のやり甲斐について紹介する。

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 平泉成は近年、サスペンスドラマでの刑事役や時代劇の同心役などを多く演じている。こうした役の場合、犯人の独白をひたすら聞いたり、事件の概要を周囲に説明したり……といった、役者として感情表現しにくい場面も少なくない。それでも平泉がそれを演じると、台詞や仕草の裏側から人情味ある感情が伝わってくる。

「台本を受け取って、最初は『どうしたらいいんだ、分からねえ』と思うこともありますよ。でも、なんとかしなきゃいけませんからね。それで本番が来るまで時間の限り練習をします。百回でも二百回でも台詞を喋ってね。それだけやってると、何か見つかるんですよ。脇役にとっては、そういうのが大事なことでね。

 歩く時でも、そうです。主役と喋りながら歩く時、脇役は主役の歩幅に合わせながら付いていく。そうやって相手のリズムに合わせながら、その芝居をどうやってぶつけていこうかということを必ず考えるわけです。

 料理でも、メインディッシュだけがあっても味気ないものでね。大根や人参が付け合わせにあって、それで一つの料理なんです。だから、トップじゃなければやり甲斐がないということは、全くないですよ」

※週刊ポスト2013年4月12日号

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