帰巣本能があるが定説の犬 本当は遠く離れた家に帰るの困難

NEWSポストセブン / 2013年4月14日 16時0分

 西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、犬にあるといわれる帰巣本能の真実を解説する。

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 犬を飼ったら、役所に登録ってのを、しないといけない。登録しなければ条例違反。罰則もある。

 で、その登録をすると鑑札っていうのをくれる。この鑑札は常につけてないと、いけない。でも、実際はどうかっていうと──。

 登録もしてない、なんてのがわんさかいる。なんでわかるかっていうと、平成23年度の統計で登録されてる犬の数が685万頭。それに対して、ペットフード協会ってとこが発表してる飼育頭数は1194万頭。登録されてる犬は、飼育されてる犬の6割にも達してない。しかも、登録はしてても、鑑札をつけてないって犬が、観察すると、わんさかいる。

 想像してくださいな、鑑札をつけてない状態で、旅先なんかで犬が迷子になった時のことを。

 よく、何百キロも離れた家に帰った犬がいたりして、想像を絶する帰巣本能が犬にはあるなんてことを信じてる飼い主もいるけど、そんなのは、マレ。めったにないことが起きるから、ニュースになるってことを忘れちゃいけない。

 こんなデータもある。23年度に都道府県が、うろついてた犬を収容した数は全国で4万8千頭。うち、飼い主に引き取られたのは、1万5千頭。中には生まれも育ちも野良犬ってのもいるだろうから、一概にはいえないけど、飼い主が見つからず、結局処分されたっていう犬は少なくないはず。

 さらに災害時には、鑑札の有無が大きな差を生む。鑑札がついてれば、万が一犬とはぐれてもその鑑札を手がかりに飼い主に連絡が来る可能性は大。でも、鑑札のない犬は、そうはいかない。飼い主が自分を見つけてくれるのを、ひたすら待つしかない。つけているかいないか、その差は実に大きい。

※週刊ポスト2013年4月19日号

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