アンジー切除手術で注目 遺伝子検査研究企業に問い合わせ多数

NEWSポストセブン / 2013年5月24日 7時0分

 アンジーこと、女優のアンジェリーナ・ジョリー(37才)が『ニューヨーク・タイムズ』(5月14日付)に寄稿した「私の医学的選択」という手記が世界中の注目を集めている。

<医師の話によれば、私の場合、乳がんの発生リスクは87%、卵巣がんの発生リスクは50%ということでした>

 なぜこんなことがわかったかというと、彼女が「遺伝子検査」を受けたからだ。そしてこの数字を知り、アンジーは大きな決断をした。それが、両乳房の切除手術。まだがんを発症していない段階にもかかわらず、映画『トゥームレイダー』などでその美貌とともに見せつけていた美バストを、手術で切除したのだ。

 国連難民高等弁務官事務所の親善大使を務めるなど、社会事業に関心の高い彼女のこの「医学的選択」に対し、欧米では「彼女の決断を応援したい」「問題提起のために告白した勇気を称えたい」など、多くの人が賞賛を送った。

 もちろんその一方では、欧米でも、「健康なボディーにメスを入れるなんて」といった声も聞かれるし、まして日本では“予防的におっぱいを切る”という選択は、それがハリウッドセレブであるアンジーのものということも手伝って、いかにも大胆かつ非日常的な行動に映ったのではないだろうか。

 ただし現実を見れば、日本でも乳がんによる死者は増加している。日本では16人に1人の女性が乳がんにかかるとされ、そのうち2011年に乳がんで亡くなった女性は、1万2838人に上る。これは、20年前の約2倍の数字だ。

 アンジーが受けた遺伝子検査と、乳房の切除・再建手術とは、いったいどんなものなのだろう。遺伝子検査は2000年頃から日本でも行われるようになり、現在、全国83の病院・施設で実施されているが、聖路加国際病院もそのひとつ。同病院の乳腺外科部長でブレストセンター長の山内英子さんが説明する。

「遺伝子というのは細胞の核の中にある“設計図”です。それが通常と少しだけ違う、つまり遺伝子に変異がある場合、細胞ががん化するのを抑制できなくなります。なかでも、“BRCA1”と“BRCA2”と呼ばれる遺伝子に変異がある人は、乳がんや卵巣がんになる危険性が高いのです」

 遺伝子の変異が関係するこの「遺伝性乳がん(正式名称・遺伝性乳がん卵巣がん症候群、HBOC)」は、乳がん全体の5~10%を占める。検査で陽性(変異がある)となれば、70才までに乳がんになるリスクは56~87%。アンジーの場合もやはり“BRCA1”遺伝子に変異があった。

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