奥州三大霊場の金華山 震災後、重機もなく復旧工事進まない

NEWSポストセブン / 2013年6月12日 16時0分

 東日本大震災の被災地、宮城・石巻市は、コラムニストの木村和久さんが高校卒業までを過ごした地。木村さんが、縁ある人々の安否を自身の足で尋ねながら、現在の状況をレポートします。今回は、金華山を訪れました。

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 震災から3年目となり、石巻地区のがれきは大分減り、この秋にはだいたいなくなるそうです。そろそろ観光のお話をして、石巻に遊びにきてもらわないと。

 実は有名スポットを紹介する機会をうかがっていたのです。ようやく案内できて嬉しいのが、恐山、出羽三山と並ぶ奥州三大霊場の金華山です。よく台風や気象予報などで金華山沖200㎞なんていいますが、その金華山なわけです。

 大震災で船着場や道路、社殿など甚大な被害が出て、ようやく5月の連休から定期船が就航を開始です。せっかくなので船に乗り、三十数年ぶりにお参りをしました。金華山にあるのが黄金山神社といいまして、名前の通りお金にまつわる縁起の良い神様、金山毘古神、金山毘賣神を祀っております。

 昔からの言い伝えで「3年続けてお参りすると一生お金に困らない」といわれ、まさにアベノミクスの今、行くべき場所じゃないでしょうか。

 特に今年は12年に1度の巳歳御縁年大祭を行っており、ご本尊の開帳やら神輿が出たりと賑やかです。そしてなんと巳年なら、3回のお参りを1回で済ませられるという伝承があります。10月末まで巳歳御縁年大祭を行っておりますから夏休みどうです? 震災の現状を視察がてら、金華山に来ては。今から説明しますが、来てびっくり、実に素晴らしいところですよ。

 まず東京から日帰りできるのかというと、始発の新幹線に乗れば古川、小牛田、石巻経由で浦宿という駅に9時50分に着きます。

 そこからJRの代行バスかタクシーに乗って女川の街へ。街といっても、女川は街が全部流されましたからいまだ更地ばかりです。この前までがれきの山でしたが、今は土盛りのための巨大な土砂があちこち盛られています。

 港は探さなくてもすぐ見つかります。建物が少ないですから。そこから11時発の定期船に乗れば、約35分で金華山に到着です。

 金華山の歴史は古く、天平時代に遡るといわれています。聖武天皇の時に日本で初めて金が産出されたのが、宮城県の涌谷町。その祝いとして金華山に神社を建立したというのですから、あまり古すぎて、わけがわかりません。

 船が島に近づくと、とんがった山が見えて周囲は断崖絶壁。世間と隔絶された雰囲気がたまりません。しかも金華山って、仙人が住んでそうな名前がいいでしょう。船着場は約1m以上コンクリートをかさ上げして、補強しています。

 近くに水没した桟橋がありますから、それを見て大震災の地盤沈下がいかに激しいか察してください。大きな鳥居をくぐると、今度は土砂崩れが起きた道路と遭遇します。金華山のいたるところが、崩れていまだ放置のまま。島なので重機もなく、なかなか復旧工事ができないのです。

 そして坂道を登って行くと、芝生をしきつめた公園のような見晴らしのいい場所に辿りつきます。向かいの牡鹿半島が目の前に広がります。この島と半島を結ぶ海峡みたいなところも、大地震時は津波の引き潮で海底が見えたそうです。恐ろしい話です。

※女性セブン2013年6月20日号

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