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議論を呼んだW杯2014ブラジル大会開幕戦の「PK判定」 主審を務めた西村雄一氏が「今も後悔なし」と断言できる理由

NEWSポストセブン / 2024年6月20日 11時15分

 しかもスタンドにはそれぞれのチームを熱心に応援するサポーターがいる。難しい判定であれば何千人、何万人からブーイングを浴びる。

「繰り返しますが、それがサッカーの醍醐味なのです。サッカーは判定を含めて楽しんでもらえるスポーツ。観客の方々もいろいろな感情が動き、“あの審判はいつもウチのチームに厳しい”とか、判定に様々な理由を紐づけて批判することができる。もちろん批判され続けて気持ちがいいわけではありませんが、日頃、嫌なことがあって職場や家庭で怒鳴り散らすぐらいなら、チケットを買って競技場に来てもらって、“西村、下手くそ!”と発散していただいたほうがいいでしょう(笑)。

 時には“素晴らしいジャッジでした”“頑張ってください”と声をかけていただくこともあります。とても嬉しくありがたいことだと感謝しています。サポーターの方々は、選手のプレーを通じて自分の人生を豊かにしている。選手を支える審判も、選手を介してサポーターのモチベーションを支えていると思えば苦にはなりません。達観しているわけでも、格好つけているわけでもなく、それはスポーツエンターテインメントというか、プロスポーツに関わる者として心得ておくべきことだと思います」

(第7回に続く)

※『審判はつらいよ』(小学館新書)より一部抜粋・再構成

【プロフィール】
鵜飼克郎(うかい・よしろう)/1957年、兵庫県生まれ。『週刊ポスト』記者として、スポーツ、社会問題を中心に幅広く取材活動を重ね、特に野球界、角界の深奥に斬り込んだ数々のスクープで話題を集めた。主な著書に金田正一、長嶋茂雄、王貞治ら名選手 人のインタビュー集『巨人V9 50年目の真実』(小学館)、『貴の乱』、『貴乃花「角界追放劇」の全真相』(いずれも宝島社、共著)などがある。サッカーをはじめプロ野球、柔道、大相撲など8競技のベテラン審判員の証言を集めた新刊『審判はつらいよ』(小学館新書)が好評発売中。

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