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【ゴルフ競技委員はつらいよ】ゴルフ界のレジェンドも戸惑う頻繁な「ゴルフ」のルール改訂「怒ってバンカーの砂を叩くと…」「自打球は…」

NEWSポストセブン / 2024年6月16日 11時15分

 改訂前は「(理由の如何にかかわらず)クラブが砂に触れれば罰がつく」だったが、ルール変更によって無罰となったのだ。

ルール大改訂で知識が追いつかない!

 こうした頻繁なルール変更はプレーヤーも把握しきれないようだ。2023年の「KBCオーガスタ」のテレビ中継では、最終日に優勝争いに加わっていた宋永漢のラフからの打球が自分の右足ふくらはぎに当たる映像が流れた。その時に解説を務めていた青木功が「2ペナかも」と話すと、別の解説者が「青木さん、ルールが変わって今は1罰打なんですよ」と訂正するやり取りが話題になった。

 実は2人とも間違いだった。2019年のルール改訂では「自打球が当たっても無罰」(それまでは1罰打)に変更されていた。2023年度までJGTO(日本ゴルフツアー機構)の会長を務めた日本ゴルフ界のレジェンドでさえも情報が追いつかないほど変更が頻繁なのだ。

「時間があればできるだけ規則書の最新事例に目を通すようにしていますが、多くの事例が加わるので理解するのは大変です。試合会場で選手にルールブックを提示して納得してもらえることは少なくありませんが、どこに何の事例があるかを探すだけでも一苦労です」

 試合出場者全員が平等にプレーする権利がある。その権利を担保するために、競技委員は規則書に書かれている内容を読み込むしかないという。

「私と同期で競技委員になった方に引っ張ってもらって勉強しました。今や彼女は海外のメジャー大会や五輪の競技委員としても参加されています。プレーと同じで、熱心な競技委員が近くにいると学べることが多いですね」

(了)

※『審判はつらいよ』(小学館新書)より一部抜粋・再構成

【プロフィール】
鵜飼克郎(うかい・よしろう)/1957年、兵庫県生まれ。『週刊ポスト』記者として、スポーツ、社会問題を中心に幅広く取材活動を重ね、特に野球界、角界の深奥に斬り込んだ数々のスクープで話題を集めた。主な著書に金田正一、長嶋茂雄、王貞治ら名選手 人のインタビュー集『巨人V9 50年目の真実』(小学館)、『貴の乱』、『貴乃花「角界追放劇」の全真相』(いずれも宝島社、共著)などがある。ゴルフの競技委員のほか、野球、サッカー、大相撲など8競技のベテラン審判員の証言を集めた新刊『審判はつらいよ』(小学館新書)が好評発売中。

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