1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

【90歳で初単独主演作】映画『九十歳。何がめでたい』が公開、草笛光子インタビュー「人生は面白がって生きないと面白くない」

NEWSポストセブン / 2024年6月20日 16時15分

 著書のタイトルにした『きれいに生きましょうね』というのは亡くなった母が私に口癖のように言っていた言葉なんです。それは何かっていうと、たとえ卑怯な仕打ちや理不尽な目に遭っても、自分は嘘をついたり、他人を押しのけたりするのはやめましょうね、毅然としていましょうね、という母との約束でもあるんです。自分が悪い方向に行こうとしていたら、『これは汚い生き方になっているかも』と思ってストップがかかるんですよ、いまでも。だから何か答えるとすれば、きれいに生きましょうね、かしら」

 著書の一編「歯に衣着せずに」にはこんな一節がある。

《飾らないこと。それがいまの私にとって、きれいに生きること。女優人生も私の人生も、あともう少しで終わりでしょうから、歯に衣着せないで、言うだけのことを言って消えて行こうと思っています》

 そんな書きぶりも、自らを“暴れ猪”と断じる愛子先生と重なる。愛子先生は著書『九十歳。何がめでたい』で、《人間は「のんびりしよう」なんて考えてはダメだということが、九十歳を過ぎてよくわかりました》と綴った。草笛さんは90歳になって何を思ったのか。

「老いとは億劫との戦い、なんです。『よし、明日の朝から散歩をしよう』と決めても、目が覚めると『朝から暑いし』なんて言い訳が浮かぶ。年を経るごとに億劫が平気になって、自分を甘やかして、だらしなく緩むようになっていく……でもそれじゃあダメですからね。やっぱり愛子先生と同じで、のんびりはせずに、1週間に1回はトレーニングをしたり、なんてことをやっていますよ」

 今回の映画は昨年10月から約2か月にわたって東京・大泉の東京東映撮影所で撮影が行われた。記者が行った日には、愛子先生が親しい人に送っていた年賀状の仮装写真を孫・桃子役の藤間爽子と実際に撮影。「天国のお母さんに合わせる顔がない」と言いながら、幼稚園児や落ち武者など次々と衣装を変えて控室から出てくる草笛さんのチャーミングなこと! ぜひ劇場の大画面で観てもらいたい、ですよね?

「『かわいい』なんて声をかけられても、おへそが曲がって馬鹿にされているような気分になって、天国のお父さんお母さんはどう思っているかしらなんて思っていたんです。でも、監督に『愛子先生が実際にやっていたんですから』と何度も説得されて(笑い)、実際の年賀状を拝見しながら近づけるように努力しました。

 私は女優なのでやり始めると真剣になってしまうの。90歳の私の精一杯をぜひ観てもらいたいわ」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください