選挙の候補者ポスター 加工しすぎてトラブルに発展するケースもある
NEWSポストセブン / 2024年6月17日 16時15分
商業用の写真は必ず修正するもので、どんなに美しいモデルや俳優であっても、毛穴が目立たないようにであったり、肉眼では気づけなかった打ち身跡など肌色の調整などは当たり前に行われてきた。とはいえ、かつてのプリクラや、最近のSNSへの自撮り投稿のように、加工を重ねて別人のように変えるようなことはしない。そんな加工は素人のやることだとされてきたのだが、最近は、プロに別人加工を依頼するケースがある。ライターの宮添優氏が、立候補者が選挙で使用する写真のミスマッチについてレポートする。
* * *
「外国の教会に書かれた歴史的な絵が、怪しい修復師によってベタ塗りされて、台無しになった事件がありましたよね。まさに、あの修正後の絵のような仕上がりでした。まあ、本人がよいと仰るので、そのまま納品したのですが」
東京都内の某スタジオに勤務するカメラマン・坂田和喜さん(仮名・40代)は、都議会議員選挙に立候補した某女性候補が、選挙活動に使用する写真撮影の仕事を受けた。
「うちのスタジオでは、数名の国会議員さんや都議、他県の候補者も撮影しています。議員さんの撮影は商業写真とは少し違うこだわりがありますが、なかでも女性の議員や立候補者は仕上がりに注文が多くなりがちです。ふだんはやらない”白飛び”してしまうような数の照明を焚いて、結局顔や肌の凹凸がわからないような写真ができてしまうんです。カメラマンとしては明らかな”失敗作”なんですが、これがよいとする候補者の方が何人かいますね」(坂田さん)
SNSでも、選挙のたびに「ポスターと実際の顔が違いすぎる候補」という話題はよく取り上げられている。ポスター制作現場にいる人々が、その評判を知らないはずはなく、ネガティブな反応を見ると、依頼者の注文通りにしたこととはいえ、坂田さんは自身の仕事を馬鹿にされているような、口惜しい気持ちに苛まれているのだと打ち明ける。
修正しすぎた選挙写真がきっかけでトラブル
選挙の立候補者たちからすれば、ポスターこそが有権者に顔を売る重要なものであり、多少の修正はやむを得ないと考えている。だが、エスカレートした加工を施した写真をポスターなどに使用した候補者が、自分が出ると告知されていた公開討論会場に入ることができなかったという、冗談のような事態が発生している。都内の編集プロダクション社員・増田孝昭さん(仮名・40代)が振り返る。
「十数年前、当時の弊社はギャルやキャバクラ嬢向けの雑誌を作っていました。雑誌に使用する写真は、体を引き延ばしたり、顔を小さくしたり肌をなめらかにして……といった感じでとにかく修正だらけ(笑)。通常のグラビアや広告写真では決してしないレベルの修正をしていました。そうしないと、出演している雑誌モデルが納得しない。キャバの子たちは売り上げにも繋がるから必死なんですね」(増田さん)
この記事に関連するニュース
-
“ほぼ全裸ポスター”掲出の白塗り候補がXで主張していた意外な公約 支持を集める選挙ポスターとは?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン / 2024年6月28日 7時15分
-
〈カオスすぎる東京都知事選〉“ほぼ全裸ポスター”桜井MIUにも殺害予告! 小池、蓮舫両氏にも…NHK党や”ジョーカー”政見放送ジャック。都民は「社会の底が抜けた」
集英社オンライン / 2024年6月26日 21時56分
-
“ほぼ全裸ポスター”候補の出席めぐり怒声「一緒にされたくない」「おまえが帰れ」討論会騒然
日刊スポーツ / 2024年6月25日 14時44分
-
“ほぼ全裸ポスター”登場の女性、都知事選「立候補をしておりません」と明言 「安易なOK」は猛省
よろず~ニュース / 2024年6月24日 18時19分
-
〈カオスすぎる都知事選〉エロポスターに掲示板“ショバ代ビジネス”は「日本の恥」か。NHK党・立花孝志氏は「まさにシメシメです」有権者からは「選挙に関心を持つ人が増える」との声も
集英社オンライン / 2024年6月21日 22時32分
ランキング
-
1「老後資金2000万円不足」の衝撃が、今「4000万円」に拡大 シニア層の不安に「最新データでは1200万円で大丈夫!」/第一生命経済研究所の永濱利廣さん
J-CASTニュース / 2024年6月27日 19時22分
-
2岸田首相、衆院選「慌てる必要ない」
時事通信 / 2024年6月27日 22時9分
-
3イタリアで日本人男性が暴行受け死亡、助け求められてけんか仲裁…地元ウディネ市長「人間性と勇気の模範」
読売新聞 / 2024年6月27日 8時0分
-
4ロシア系ハッカーが犯行声明 ニコニコ動画へのサイバー攻撃
共同通信 / 2024年6月27日 19時42分
-
5最大76億円追加負担へ=「簡易型」への移行進まず―海外パビリオン問題・万博協会
時事通信 / 2024年6月27日 19時19分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)