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映画『九十歳。何がめでたい』で若手編集者を演じた片岡千之助「大変な時代を生き抜いた人の言葉や生き様を受け継がないと社会が続いていかない」

NEWSポストセブン / 2024年6月26日 11時15分

クールな現代っ子の編集者を演じた片岡千之助(撮影/浅野剛)

 佐藤愛子さんのエッセイを原作とした映画『九十歳。何がめでたい』が6月21日に公開された。物語は、断筆宣言をした90歳の老作家・佐藤愛子(草笛光子)が女性誌『ライフセブン』の編集者・吉川真也(唐沢寿明)に連載を依頼されるところから始まる。何度断っても諦めない吉川に、破れかぶれの気持ちで再び筆を執り、90歳を過ぎて感じた時代とのズレや違和感、身体の衰えをユーモラスに綴ると、刊行した単行本『九十歳。何がめでたい』がまさかのベストセラーになって──という国民的エッセイ誕生までの物語。

 愛子の担当編集者となった吉川とは対照的で、いつもクールな印象の水野秀一郎を演じた片岡千之助さん。佇まいも、おしゃれでそつがなく、愛子への差し入れも、行列のできる大人気店のサブレを「ネットで注文した」と悪びれずに言う現代っ子のキャラクターだ。

「嫌なやつですよね、すいません。自分はあんなにチャラチャラしてないとは思うんですけども」

 と笑う素顔の千之助さんは、水野とはまるで違う、礼儀正しい好青年だった。自分とかけ離れたキャラクターを演じるのは大変だったのでは?

「いや、もう、苦労しました。いかんせん自分がいる歌舞伎の世界は水野のような人間を受け付けないところなので。ヘラヘラしながらコスパよく生きる人を演じるのは、すごく難しかったですね」

 草笛さんとは祖父・片岡仁左衛門さんの時代から一家で交流がある。

「お目にかかったときに『仁左衛門の孫です』ってご挨拶したら、仁左衛門がわからない。それで『孝夫の孫です』って言ったら、『あら~』って。撮影をアップした日にいろいろ話したら、『恵比寿においしい焼肉屋さんがあるから今度一緒に行きましょうね』って言ってくださって。すごく優しいかたです」

 まだ24歳の千之助さん。原作についてはどんなふうに思ったのか。

「もともと僕の母方の祖母が読んでいまして、先に面白いって話も聞いていたのですが、僕も佐藤さんの言葉には違和感がないというか、とても共感して、そうだそうだって思いました。

 今回の映画でも感じたことですが、大変な時代を生き抜いてきた人の言葉や生き様をちゃんと受け継いで学んでいかないと、この先、社会が続いていかないんじゃないかって思います。昔の時代のいけなかった部分もあると思いますが、いい部分もあるはずですから。その意味で、僕と同世代には特に映画を見てもらいたいと思います」

 今回、唐沢さんとのシーンでも印象に残ったことがあったという。それは、吉川(唐沢)が部下へのパワハラで異動を命じられ、元後輩の編集長・倉田(宮野真守)の下で働くことになったシーン。千之助さんたち部下が見守る静かな編集部で、吉川は突然大声で歌い出した。

「ギョッとしました。だって、台本にないですから。でも、それを見た時に、ああ、いいなあ、いつか僕もあんなふうに大きく芝居ができたら最高だなって思いました」

※女性セブン2024年7月4日号

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