【映画『九十歳。何がめでたい』が公開】“百歳”佐藤愛子さんが“九十歳”草笛光子に宛てた手紙「まだまだ、お若いと…」
NEWSポストセブン / 2024年6月22日 7時15分
作家・佐藤愛子さんのベストセラーを映画化した『九十歳。何がめでたい』。この映画の公開記念イベントでは、佐藤さんから主演の草笛光子に宛てた手紙が紹介された。同イベントを取材した、放送作家でコラムニストの山田美保子さんがリポートする。
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社会現象を生んだシリーズ累計178万部の超人気エッセイが、主演・草笛光子×『老後の資金がありません!』の前田哲監督のタッグにより映画化。エッセイと同名の『九十歳。何がめでたい』として、6月21日より絶賛公開されている。
「あなたの悩みも“一笑両断”!」「2024年No.1 笑いと共感の痛快エンターテインメント」のキャッチコピーの同作は、キャストの一人で、17年ぶりに復活した「淀川長治賞」を受賞した映画コメンテーターのLiLiCoによれば、「家族3代で観られる珍しい映画」「みんな忙しいから、99分というのも丁度いい」とのことだ。
20日に実施された「祝公開前日祭」には、草笛、前田監督に加え、唐沢寿明、真矢ミキ、藤間爽子、LiLiCo、宮野真守、そして主題歌『チーズ』を歌う木村カエラが花束を抱えてサプライズ登場した。
同イベントの中で、既に映画を観終わっていた約600名が耳を澄ませて聞いていたのは、原作者の佐藤愛子氏から主演の草笛光子にあてた“お手紙”。当日、MCを務めたTBSの山本恵里伽アナウンサーが代読した。(以下、全文)
「草笛さん、映画『九十歳。何がめでたい』の完成おめでとうございます。お疲れ様でした。
常人にはとても理解できない佐藤愛子という人間を演じた草笛さんには、つくづく私の可笑しさが身に沁みて、困惑されることも多かったのではないかと思うと、同情申し上げるやら、申し訳なく思うやら、心中察するに余りあります。
幼稚園児やメイド服、幽霊や落武者など、私が親しい友人に送った年賀状のコスプレ写真の撮影にも、たいへん苦労されたと聞きました。
肺炎になられたと聞いたときには驚きましたが、たちまち回復されて、さすが九十歳。まだまだ、お若いとホッと胸を撫でおろしました。
私は『九十歳。何がめでたい』の最後に、『人間はのんびりしようなんて考えてはだめだということが九十歳を過ぎてよくわかりました』と書きましたが、百歳になったこの頃は、のんびりという状態がどういう状態なのか、わからなくなってきました。
のんびりしているのではなく、ぼんやりしているだけか、今から思えば、あの頃はすごく元気だったんですね。
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