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《“悪質カスハラ”の実態》美容室や歯科医院のHPで女性従業員の顔写真を見て”指名”で訪れる男性客「至近距離で息を吹きかけ」「シャワーは別スタッフに交代で激昂」

NEWSポストセブン / 2024年7月2日 16時15分

「シャンプーの時、お店では若いスタッフにチェンジするんですが、それに激昂した男性のお客様がいました。俺は美容師を指名しているんだ、と。ただ、その指名された女性美容師に聞けば、体を寄せられたり、至近距離で話して息を吹きかけられたから、シャンプーどころか、指名も拒否してほしいというんです。でも、美容室で顧客の予約を拒否するというのは、聞いたことがありません。

 HPから美容師の写真を削除しようとも考えましたが、急に消すのも不自然ですし、元々美容師やスタッフの写真を掲載しているのは、お客様に安心してもらうため。このような行為に及ぶ男性客は何人かいるのですが、彼ら全員がHPで顔写真付きで紹介した女性美容師を指名する。不在とか休みとか嘘を言っても、後からバレたら怖いと、結局拒否すらできないんです」(Aさん)

 こうした客による被害は、Aさんの店だけにとどまらない。別々の店舗で働く10名ほどの女性美容師に話を聞くと、全員が多かれ少なかれ、こうした「避けようがない」セクハラやパワハラ、カスハラに疲弊している実態が浮かび上がってくる。

顔写真掲載中止を求めると「それなら辞める?」

 美容師のように客にマンツーマンで対応しなければならない業種では、やはり大なり小なり、同様の悩みを抱えているという話が次々に飛び出してくるようだ。千葉県在住の歯科医・Bさん(20代)は、退職まで考えたという自身が受けた被害を振り返る。

「複数人の歯科医師がシフト制で勤務している歯科に勤めていて、HPで私を含む所属の女性歯科医が数名、顔写真付きで紹介されるようになったのは2年ほど前。それから、顔写真付きの女性歯科医ばかりを狙って予約し、セクハラをしてくる男性患者が、複数名くるようになりました。相手は患者さんですから、体を触られたり、交際関係について聞かれても、そこは医師として毅然とした態度を取ってきました。でも、あまりにも悪質で、あからさまなセクハラに遭遇すると、当事者は恐怖心もあって厳しい対応するのが難しい。本当は警察に捕まえてほしいほどですが、一応私たちも接客業ということで、我慢するしかない」(Bさん)

 特にBさんが在籍する歯科では、数年前に患者とのトラブルにより、ネット上の「口コミ」に低評価が相次いでつけられる、という苦い経験があった。その影響もあるのか、患者とのトラブルをなるべく減らそう、表沙汰にしないという雰囲気が根強い。トラブルがないことをアピールしたい気持ちがあるからか、在籍する歯科医の情報を、写真を含め公開して開放的で患者が来院しやすい歯科にする、というのがオーナー院長の意向だ。

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