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【熱戦続く甲子園予選】プロや大学にはない高校野球審判ならではの「誤審の重み」 判定一つで球児の人生が変わってしまうことも

NEWSポストセブン / 2024年7月22日 11時15分

 実際、高校野球ファンのインターネット掲示板には、〈〇〇審判のせいで負けた〉〈選手の将来を潰した××球審〉などといった激烈な批判の書き込みが少なくない。公式戦の大半をリーグ戦が占めるプロ野球や大学野球では、ここまでの批判は起こらないだろう。

 そうしたプレッシャーの中でジャッジする審判員。とりわけ難しい場面を訊ねると、内海は「1対0の9回ウラ。2死満塁、フルカウント」と答える。

「打者に“ヒットでもいいしアウトでもいい。空振りでもいい。何としてもバットを振ってくれよ”と祈る気持ちで構えます。ストライクにもボールにも判定できるような際どいコースを見送られたら、私がどちらかをコールしなければならない。そしてどちらかのチームの選手と観客から恨まれてしまう。“それだけは勘弁してくれ”という気持ちです」

 内海は「審判は黒子に徹しないといけない」と語る。

「審判が注目を集めるのはジャッジを間違えた時です。プロ野球でも“素晴らしいゲームは、審判がいたのかどうかわからない”と言われるそうです。私もそれが理想だと考えています。それは県大会の1回戦でも、決勝戦でも同じ。そういう覚悟で臨んでいます」

(第3回に続く)

※『審判はつらいよ』(小学館新書)より一部抜粋・再構成

【プロフィール】
鵜飼克郎(うかい・よしろう)/1957年、兵庫県生まれ。『週刊ポスト』記者として、スポーツ、社会問題を中心に幅広く取材活動を重ね、特に野球界、角界の深奥に斬り込んだ数々のスクープで話題を集めた。主な著書に金田正一、長嶋茂雄、王貞治ら名選手 人のインタビュー集『巨人V9 50年目の真実』(小学館)、『貴の乱』、『貴乃花「角界追放劇」の全真相』(いずれも宝島社、共著)などがある。高校野球の審判員のほか、柔道、飛び込みといった五輪種目を含む8競技のベテラン審判員の証言を集めた新刊『審判はつらいよ』(小学館新書)が好評発売中。

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