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失った歯を補う方法「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の一長一短 どれを選ぶか判断するために知っておきたい基礎的な情報

NEWSポストセブン / 2024年7月21日 11時13分

「入れ歯」と「インプラント」のどちらを選んだとしても、どんな歯科医のもとで治療を受けるかによって結果が大きく変わる。

 例えば入れ歯を選んだ場合、最も多い悩みが「合わない」ことだろう。入れ歯安定剤を使ってもズレてしまう。あるいは噛むたびに痛みを感じるという人は少なくない。40年近く入れ歯とインプラントの専門医として治療を行ってきた鵠沼アルカディア歯科・矯正歯科院長の角田達治歯科医師は、その背景に「健康保険制度の限界」があると言う。

「実は、保険診療の範囲内で入れ歯を作っても採算がほとんど取れず、作れば作るほど赤字になるのです。そのため、しっかり噛めるいい入れ歯を本気で作ろうという歯科医師が少なく、患者さんが『入れ歯難民』になっている。合わない入れ歯を仕方なく使い続けている患者さんは非常に多く、老人ホームではほとんどの人が入れ歯を外して食べているのが現状です。その食生活は肉体的にも精神的にも大きな影響があります」

 角田歯科医師によると、患者が満足できる入れ歯を作るためには、材料や加工にある程度の費用をかけることが必要になるという。

 例えば、保険適用の入れ歯は「レジン」と呼ばれる歯科用プラスチックで作られているが、土台の部分をチタン合金などの金属で作った入れ歯にすればぴったりと合いやすく、食事の温かさも感じられる。金属なので耐久性に優れているというメリットもある。

 ほかにも顎の骨に磁石を埋め込んでずれにくくする「マグネットデンチャー」や、入れ歯の金属部分に加工を施し、見た目がきれいになるように工夫した入れ歯もある。ただし、それらは保険が適用されないため、数十万円と高額になる。

「それでも私は、自由診療の入れ歯もきちんと作っている歯科医のもとで治療を受けることを推奨しています。保険診療で作れる入れ歯は人件費や労力を削減するため、歯科技工士に丸投げしており、はっきりいって歯科医師の腕は関係ない。

 しかし、自由診療の場合には、口の中の形やもともと歯があった位置まで考えて、一人ひとりに合った入れ歯を作る努力をする歯科医が多い。仮の義歯を入れて、削ったり足したりしながら噛み合わせを調整し、ぴったりと合うものに仕上げていく。自由診療の入れ歯の費用の内訳には材料費だけでなく、調整にかける時間や経験の蓄積も含まれており、噛める入れ歯を作るためには10年以上の長い研さんと豊富な臨床経験が何より重要になる。

 また、高品質の入れ歯を作ろうと思うなら、腕のいい歯科技工士を雇う必要がありますが、低賃金であるなどの問題で歯科技工士はなり手が減っている。そうした状況の中でスタッフをしっかり確保すべく院内に技工室を併設しているかどうかも、いい歯科医師、歯科医院を見極めるひとつのポイントになるでしょう」(角田歯科医師)

(後編へ続く)

※女性セブン2024年8月1日号

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