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《シンガーソングライターAARONインタビュー前編》空手で全国制覇するも挫折、ラップの道へ そして「シンプルに歌で行こう」と決断するまで

NEWSポストセブン / 2024年7月27日 11時15分

 そこから高校では日本代表選手に選ばれたり、大学は空手の強い近畿大学に進学したりして、オリンピックの金メダルを目指していました。ただ、大学に入って3か月くらいで稽古中に前十字靭帯を損傷してしまって……空手の道は諦めました」

──なるほど……。15年賭けてきたものが突然終わるのは辛いですね。

「選手を辞めてからも半年くらいはマネージャーをやっていたんですけど、周りの対応がどんどん変わって、あからさまに人が離れていったんです。第一線で戦う選手じゃないよな、っていう態度がやっぱりしんどくて、人生終わったと思って。それでそんな彼らを「見返してやろう」と思って、大学もやめ、ラップを始めました」

──空手から音楽へ、しかもラップというのは意外です。

「当時はラップが流行っていたのもあって、『見返したい』とか『自分を認めてもらいたい』という想いを乗せて歌おうと思ったんですよね。もともと親父が音楽好きでSOUL’d OUT(ソールドアウト)さんをずっと聞いていたのもありましたし、大学時代に知り合ったラッパーのSHINGO★西成さんも「やればいいじゃん」と背中を押してくださって。

 ただ、いざラップバトルに出たらボロ負けばかりでした。ドレッドヘアの中学生の子に完敗したこともあります(苦笑)。これまでまっすぐ空手ばかりしてきた自分は、何かをディスることが苦手なんだと気づいて。シンプルに歌で行こう、って決心したんです」

──歌の経験はあったんですか? 

「いや、まったくないです(笑い)。だからまずボイストレーニングに行きました。そのボイトレの初回レッスンで初めて会った先生と盛り上がって、気づいたら『一緒に曲作りしませんか』と直談判していました(笑い)。その彼が、いまも僕と一緒に曲を作ってくれるトラックメーカーです。一緒に東京連れて来ちゃいました。僕が鼻歌やラララ……で作ったメロディーに、楽曲としてどの音を入れるか調整してくれていますね」

【プロフィール】
AARON(あーろん)/1998年5月13日生まれ、福岡県出身。幼少期から空手に邁進し、中学1年時には全国1位に。その後空手推薦で高校は京都へ、大学は大阪へ進学するが、負傷の為断念。 新たな道を音楽に見据え、独学で音楽活動を開始。

友人と共同作業でトラック制作を始めSNSに投稿するとキャッチーでピースフルなサウンドが受け、2021年3月にリリースした『holiday song』は日本だけでなくアジアでも大人気に。2022年5月からは路上ライブをメインの活動とし、半年足らずで約1万5000 人以上を動員する。2023年4月にドラマ『それってパクリじゃないですか?』の主題歌『ユニーク』でメジャーデビューを果たし、続く2024年4月にはドラマ『イップス』の主題歌『フェイス』を担当。8月10日にはShibuyaWWWで初のワンマンライブ“THE BEGINNING”を開催予定。

撮影/栗原達也 ヘアメイク/KOBA(PUNCH) 取材・文/辻本幸路

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